
北野監督、7年ぶり2度目の監督賞「ありがたい」
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| 「主演では勝さんに勝てないわな」と北野武監督は楽屋でポツリ |
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北野武監督(56=ビートたけし)が興行収入28億円を記録したヒット作「座頭市」で監督賞を手にした。96年「キッズリターン」以来、7年ぶり2度目の監督賞受賞。勝新太郎さん(享年65)でおなじみの名作時代劇のリメークだけに、注目と同時に、比較される宿命にあった。ベネチア映画祭の監督賞、興行的な成功と合わせ、うれしい受賞となった。
都内のスタジオで、テレビ番組収録後に受賞を知らされた北野監督は、静かにかみしめるように「ありがたいねえ」と喜んだ。
日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の受賞はこれが通算4度目。すべてが節目の作品だ。監督デビュー作「その男、凶暴につき」で新人賞、バイク事故後の復帰作「キッズリターン」で監督賞、ベネチア映画祭グランプリを獲得し、世界的に評価された「HANA−BI」で石原裕次郎賞を受け取った。
「座頭市」は初挑戦の時代劇。さらに自身の監督作で最大のヒットも記録した。「ヒットしてよかったと思うけど、監督として評価してもらうこともうれしいよ」。選考会では「誰もが知っている題材をたけし流にうまくまとめていた」と、演出力と構成力が評価された。
映画の公開以来「今までの作品の中で一番分かりやすい」という声をあちこちで聞いたという。過去の作品は、説明的な描写が少なく、理解力や想像力が必要だった。「座頭市」はテンポのいい娯楽時代劇。観客層も広がった。「よく行く飲み屋のオヤジが『やればできるじゃん、いつもこういう映画撮ってよ』だって。しまいにゃ『映画の撮り方がうまくなったねえ』なんて言いやがるんだ(笑い)」。
その一方、海外受けを狙った作品と指摘も受けた。座頭市を金髪に変え、劇中にタップダンスを取り入れたことが主な理由だ。「どうせ受けを狙うなら、ワイヤアクションか何かやってりゃいいわけで、金髪だってタップだって、もともと日本で受けりゃいいやと思っていた。そしたら、ベネチア映画祭で賞なんか取っちまったからそんなふうに言われるのかな」。
「座頭市」は勝さんの代名詞とも言える作品。重圧も感じたが「比較することが間違ってるんだ」と開き直った。「ムハマド・アリと今のチャンピオンが闘ったらどっちが強いとか、長嶋(茂雄)さんと松坂大輔が対決したらどうなるかって言ってるようなもん。それより大事なのは、その時代、その時のお客を喜ばせることじゃないの」。
今は次回作のシナリオ作りに入っている。「座頭市」に続く娯楽作品を期待してしまうが「そうはいかない(笑い)。次は小規模で公開するマニアックな映画になると思うよ」。まるでいたずらを企む少年のような顔を見せた。【松田秀彦】
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「座頭市」の北野武と「蕨野行(わらびのこう)」の恩地日出夫の争い。「演出のうまさが際立っていた」(櫻井修)という恩地支持の声に対し、「興行的に成功し、おなじみの話を北野監督なりにうまく料理していた」(木下博通)という意見も。決選投票の結果、5票差で北野に。 |
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◇北野武(きたの・たけし) 1947年(昭和22年)1月18日、東京生まれ。73年に漫才コンビのツービートを結成。82年フジテレビ「オレたちひょうきん族」で不動の人気を得る。81年「マノン」で映画初出演。83年大島渚監督「戦場のメリークリスマス」に出演。89年映画「その男、凶暴につき」で監督デビュー。以後「ソナチネ」「菊次郎の夏」「BROTHER」など話題作を監督。
◆座頭市 金髪で盲目の居合の達人、座頭市(ビートたけし)は、旅芸者の姉妹(大家由祐子、橘大五郎)と宿場町で知り合い、町を仕切るヤクザの銀蔵(岸部一徳)が姉妹の親のかたきと知る。そのころ、ヤクザたちは浪人の服部(浅野忠信)を用心棒に雇った。座頭市と銀蔵一家、そして服部との対決の時が近づく。
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