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第16回日刊スポーツ映画大賞
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助演女優賞

八千草、昭和のお母さん演じる

八千草薫の写真
助演女優賞を受賞した八千草薫

 「阿修羅のごとく」で昭和の日本の母親を演じた八千草薫(72)が助演女優賞に選ばれた。「思いがけないことだったんで、びっくりしました。うれしいです」と、おっとりとした口調で喜びを表現した。八千草は登場シーンこそ少ないものの、綱子(大竹しのぶ)巻子(黒木瞳)滝子(深津絵里)咲子(深田恭子)という性格が違う4姉妹の母親として、また愛人のいる夫(仲代達矢)のつつましい妻として、ストーリーの根幹を支えた。

 八千草は79年にNHKで放送されたドラマ「阿修羅のごとく」では二女巻子役を演じた。24年後、今度は母親役として、同じ向田邦子作品と向き合った。「24年前はまさか映画になるなんて思ってなかったけれど、向田さんの世界が分かっていたので雰囲気に入りやすかった。演じようではなく素直な気持ちでやっていました」と、自然体で撮影に臨んだ。

 共演した大竹や黒木を「娘」と言う。「(撮影現場は)空気がのんびりしていて温かくて気持ちよかった。娘たちとの間が身近に感じた。慕ってくれていました」。三角ずきんをかぶり、かっぽう着姿で漬物を漬ける姿がよく似合う。選考会では「日本の母をきちんと演じていた」という声が出た。八千草に対する何よりの称賛の言葉かもしれない。【大越慈】


 選考経過 

 「阿修羅のごとく」の八千草薫が「作品を支えていた。いつまでもお若い」(乾瑞恵)「日本の母をきちんと演じていた」(福岡翼)と高い支持を得た。「年齢を重ねてもう1回花開いた感じ」(渡辺武信)と同じ作品の桃井かおり、「助演に適した演技」(逸見晴恵)と「座頭市」の大楠道代への応援意見も出たが、2位で並んだ大楠、深津絵里に8票差をつけた八千草に。

 ◇八千草薫(やちぐさ・かおる) 本名谷口瞳。1931年(昭和6年)1月6日、大阪市生まれ。47年、宝塚歌劇団に入団し、娘役として活躍。51年、映画「目下恋愛中」で本格デビュー。映画「宮本武蔵」(54年)のお通役、日伊合作映画「蝶々夫人」(55年)などで人気を得る。ドラマ「岸辺のアルバム」(77年)映画「ハチ公物語」(87年)などに出演。97年紫綬褒章を受章した。

 ◆阿修羅のごとく 堅物の父親(仲代)に愛人がいることを三女滝子(深津)が突き止めた。一大事に普段は疎遠の4姉妹が顔をそろえる。長女綱子(大竹)は不倫相手がいる。二女巻子(黒木)は夫の浮気を疑っている。三女滝子は素直な恋愛ができない。四女咲子(深田)はボクサーと同せい中。それぞれ憂いがある姉妹だが、父の裏切りを母(八千草)に伏せておくことに同意する。

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