
寺尾聡、半泣きの勘当息子
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| 寺尾聡は涙をこらえて受賞の喜びを語った。右は織田裕二(撮影・中島郁夫) |
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石原裕次郎賞「半落ち」に主演した寺尾聡(57)は、今にも涙がこぼれ落ちそうだった。「俳優の扉を開いて手を引いてくれた」という裕次郎さんの名を冠した賞に感無量だった。賞金300万円を贈った裕次郎夫人の石原まき子さんは、息子のように成長を見守ってきた寺尾に「聡、聡…」と呼び掛け、涙した。
4年前に「雨あがる」で主演男優賞を受賞した寺尾だが「石原裕次郎賞は個人賞の感激とは違う」と話した。表彰式では、プロデューサーらに感謝の言葉を述べた後、涙声で「個人的なことを言うと、この世界の扉を開けて手を引いてくれたのは裕次郎さんです。感無量です。ありがとうございました」。
67年「黒部の太陽」で映画デビュー後、石原プロの一員として活躍していたが、シングル「ルビーの指環」のヒット後、俳優としても「いろんな役をやりたくて」飛び出した。寺尾は「途中で勘当されて。家出みたいなもの」と笑顔で振り返った。
ステージに上がったまき子さんは「聡…。私たちにとっては息子のようなものなので聡と呼ばせてもらいます。聡…」と涙声。感激もひとしおだった。「法廷のシーンは、裕次郎さんにお説教されてる姿に似ていた。目が素晴らしい俳優でした」と、親しみの中にも役者としての成長を認めた。
表彰式終了後、寺尾は「聡…」と呼ばれたことについて「息子と言ってくれたことはうれしい」と素直に喜び「これまでいい人に出会ってきたけど、スタートさせてくれた人は意味が違う」と、あらためて裕次郎さんへの思いも強調した。
別れ際まで、まき子さんと寺尾が、名残惜しそうに話していた。内容を聞くと、寺尾は「賞のこと? それはすぐに終わって普通の話。家族のこととかさ」。そして「2度もハグしちゃったよ」と照れたように付け加えた。この日の受賞が“両親”への最高の恩返しだった。【小林千穂】
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「半落ち」「世界の中心で、愛をさけぶ」「スウィングガールズ」の争い。「無名俳優ばかりだが、エネルギッシュ」(乾瑞恵)との声が相次ぎ「スウィングガールズ」が急浮上。「半落ち」との対決となったが、第2次決選投票でも同数に。「日本のオーソドックスな映画を守っている」(福岡翼)といった意見もあり「半落ち」が第3次決選投票で、7票差で逃げ切った。
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◆半落ち 県警の刑事(寺尾聡)がアルツハイマー病の妻(原田美枝子)を殺害した。容疑を認めるが、自首するまでの空白の2日間については何も語らない。この「半落ち」状態の男をめぐり、刑事(柴田恭兵)弁護士(国村隼)裁判官(吉岡秀隆)新聞記者(鶴田真由)らがそれぞれの視点で人生の秘密をあぶり出そうとする。原作は35万部のベストセラー。
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