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第18回日刊スポーツ映画大賞
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石原裕次郎賞

吉岡に笑顔戻る

式に臨んだ受賞者たち
式に臨んだ受賞者たち。左からムービーアイ唯敷和彦氏、井筒和幸監督、沢尻エリカ、吉岡秀隆、小泉今日子、石原まき子さん、市川染五郎、薬師丸ひろ子、堤真一、山崎貴監督、阿部秀司プロデューサー(撮影・小沢裕)

 石原裕次郎夫人の言葉に吉岡秀隆(35)が胸を打たれた。石原裕次郎賞を獲得した「ALWAYS 三丁目の夕日」の主演を、石原まき子さんから絶賛されて目を潤ませた。裕次郎さん主演映画「嵐を呼ぶ男」が大ヒットした昭和33年を描いた作品。「胸を張ってその時代を生きた人に見てもらいたい」という思いを秘めて撮影現場に通った吉岡に、まき子さんの賛辞はこれ以上ないごほうびだった。映画は観客動員200万人を突破。同賞にふさわしい社会現象になりつつある。

 吉岡は受賞あいさつで言葉に詰まった。「あ、何を言おうとしたんだっけ」。緊張は見て取れた。5歳で子役スタートの長いキャリアを経た今も、華やかな舞台は苦手だ。一変させたのは、ほめられたかった人からの言葉だった。「吉岡さんが泣かせて泣きっぱなしでした」。賞金300万円を手渡したまき子さんが、手放しで絶賛した。吉岡に人懐こい笑顔が戻った。

 映画は、昭和33年の東京で生きる人々の活気と人情を描いた。当時を知らない吉岡は、撮影中からある思いを抱いていた。「胸を張って、その時代に生きた人たちに見てもらえるような作品にしたい」。確かめるかのように公開後、7回も劇場に足を運んだ。「お年寄りから小さな子供までよく笑ってよく泣いてくれて」。そしてこの日、昭和33年を鮮烈に彩ったスーパースターの夫人から大絶賛の言葉を受け取った。「役者をやっているんだなあと実感しました」と吉岡。シンプルな言葉にも、感慨が伝わってきた。

 そんな吉岡に、まき子さんは、昭和33年について語りかけた。「私は現役の女優でした。そして石原裕次郎という人と大恋愛中でした。(吉岡は)まだ生まれてなかったでしょ?」。吉岡に笑みがこぼれた。

 高度経済成長期の象徴、東京タワーが完成した年。裕次郎さんとまき子さんの青春時代だった。当時の風景の再現は不可能と言われたが、CGと巨大セットでよみがえらせた。まき子さんは、吉岡を含むすべての関係者に「あの時代を映画として作りあげようとしたご努力、感服しました」と賛辞を送った。

 映画は、吉岡が胸を張っていい、そして裕次郎賞にふさわしいヒットを記録している。11月5日に封切られ、この日までに観客動員200万人を突破。200館で年越しロングランも決定した。裕次郎さんが社会現象になった年を描いた作品が、時を超えブームを巻き起こしている。【松田秀彦】

[2005/12/29 紙面から]


 ◆石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞 87年に亡くなった戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設された。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得たスケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつさせる将来性豊かな新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は300万円と100万円。今年は石原裕次郎新人賞は該当者なし。

 ◆「ALWAYS 三丁目の夕日」 昭和33年、建設中の東京タワー近くの下町を舞台にした群像劇。自動車修理工場、鈴木オートの夫婦(堤真一、薬師丸ひろ子)のもとに、集団就職で上京した六子(堀北真希)がやって来る。駄菓子店を営みながら売れない小説を書く茶川竜之介(吉岡秀隆)の家には、居酒屋のおかみ(小雪)から世話を頼まれた淳之介(須賀健太)が来る。原作は西岸良平氏の人気コミック。

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