侍キムタク、裕次郎新人賞で一目ぼれ
SMAP木村拓哉(33)の主演映画「武士の一分(いちぶん)」(12月公開)の製作発表が2日、都内のホテルで行われ、山田洋次監督(74)が、13年越しの秘話を明かした。同監督は94年の日刊スポーツ映画大賞表彰式のステージで、石原裕次郎新人賞を受賞する木村の姿を見て侍姿を連想。「そのイメージがずっと残っていました」と、時代劇映画に起用した理由を説明した。
「僕には、そこにりりしい若侍が立っているような気がしました」。山田監督は会見の冒頭、12年前に木村を初めて見た時のエピソードから語り始めた。94年12月、都内のホテルで行われた日刊スポーツ映画大賞の表彰式。前年受賞者の山田監督はプレゼンターとして出席していた。大トリとなる石原裕次郎新人賞。裕次郎さんをほうふつとさせるスター性を評価され受賞した木村がステージに上がった。「だんだんそこにいた彼がまげを結って、刀を2本差している姿に変わっていった」。
当時、木村は22歳。テレビ各局が現代劇の起用を企画していた。多くの名優を演出し、名作を生み出してきた同監督ならではの発想といえそうだ。「そのイメージがずっと残っていたわけです」。02年「たそがれ清兵衛」04年「隠し剣 鬼の爪」と続けた藤沢周平原作時代劇の集大成で実現にこぎつけた。
昨年夏、初めて向かい合って会話した。「同年代の俳優と比べて際立つ求道者の雰囲気が漂っていた」。じっと目を見つめていたら77年「幸福の黄色いハンカチ」で初コンビを組んだ高倉健(74)がだぶってきた。「何でこんなに目が魅力的なんだろうと思っていたら、それはまさしく健さんだった。とても似ていたんです」。映画は現在も撮影中だが「求道的なキャラクターを魅力的に描き出したい」と話した。
木村はこの日初めて、12年間温め続けた同監督の思いを知った。「10年前からですかという驚きは正直あります」。健さんと比較された時はうつむき、しきりに照れた。撮影現場では「真正面からぶつからせていただいています」という。裕次郎さんを縁に巨匠と出会い、健さんを引き合いにその魅力を語られた。木村は今年、10年ぶりの日本映画となる同作品に全力で取り組む。
[2006/2/3/09:23 紙面から]
写真=「武士の一分」の製作発表を行う山田洋次監督(左)と檀れい
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