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 nikkansports.com > 社会TOP > 阿曽山大噴火の「裁判Showに行こう」
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社会タイトル
阿曽山大噴火の「裁判Showに行こう」
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アーティスト岡村靖幸、犯行理由も芸術的?

中山諭
阿曽山氏が描いた中山被告のイラスト

 今回は覚せい剤取締法違反の裁判を2つ。このテの事件ってのは、誰かが殴られたわけでも、誰かがだまされたわけでもないから、被害者が存在しないんですね。違法な薬物を使用・所持していたので逮捕されたって話だから。果たして本当に被害者はいないのか。

 先週木曜日(9月29日)に行われた「ダイナシティ」元社長・中山諭の裁判。ジャスダック上場の不動産販売会社の社長が覚せい剤で逮捕されたということで、ニュースでも大きく報道されました。

 社会的に関心が高いせいか、傍聴席はほぼ満席。スーツ姿の被告人が着席すると、裁判開始。

 弟の現社長、被告人の妻が情状証人として出廷しましたが、被告人は1度も顔を上げることなく、目を閉じて下を向いたまま。そして、弁護人による被告人質問。

 弁護士「昨年の夏ごろ、六本木のクラブで覚せい剤を外国人から買ったようですが、何回くらい使用したんですか」
 被告人「6〜7回です」
 弁護士「現実逃避、ストレス解消のためにやってしまったということでいいんですね」
 被告人「はい」
 弁護士「現在は弟さんが代表取締役になってるわけですが、いずれ被告人が会社に復帰することがあるんですか」
 被告人「上場企業であり、そういうことはないです」
 弁護士「では、これから仕事はどうするんですか?」
 被告人「夫婦で実家に戻ります。ゆくゆくは今までの経験をいかした仕事をしたいと思っています。今は社会が許してくれるまで謹慎したいと考えています」

 1つ1つ言葉をかみしめるようにして、反省の弁を述べていましたね。ただ、「社会が許してくれるまで」って言ってたけど、社会は許すも許さないもないからね。そんなこと思ってないんだから。ただただ、呆れているだけ。家族や株主、500人以上の社員、取引先を「社会」と呼ぶなら異論はないけど。それにしても、資本金30億の大会社社長から無職へ転がり落ちるとは代償が大きいよなぁ。

 そして、もう1つは金曜日(9月30日)に行われたミュージシャン岡村靖幸の裁判。

 長い髪を後ろで束ね、白地のチェックのシャツ、黒のデニムというラフな格好の被告人。以前よりはやや、やせた印象を受けました。こちらも、終始下を向いていましたね。

岡村靖幸
阿曽山氏が描いた岡村被告のイラスト

 弁護士がスーパーフリーの元代表・和田真一郎を弁護したおばあちゃん(ちなみに日本初の女性検察官!)。相変わらず、モゴモゴ喋って聞き取りにくかったところもあり、被告人の名前を“岡村ヤスオ”と1度呼んだりして、不安な感じでした。

 そして、注目の被告人質問。

 弁護士「渋谷センター街でイラン人が『よかったら試してみろ』と言って、ポケットに何か入れられたんですね」
 被告人「かぎを入れられたのか、何を入れられたのかわかりませんでした」
 弁護士「何が入ってました?」
 被告人「ガラスパイプでした。違法か合法かはわかりませんが、ドラッグだと思いました」
 弁護士「それをどうしたの」
 被告人「捨てるべきだったのですが、吸ってしまいました」
 弁護士「何で吸うの!! それで吸ってみてどんな感じがしたの?」
 被告人「気持ち良くはありませんでしたが、発汗したのでヤバい物だなと思いました」

 その日はそのまま自宅へ帰って、2、3日後。渋谷のスポーツジムへ行く途中、警察に職務質問を受け、渋谷署で尿検査。47日後に陽性反応が出たとのことで令状が届いたっていうのが事件の内容らしい。

 2年前にも覚せい剤で逮捕され、執行猶予の判決を受けている被告人に対し、検察官から厳しい質問です。

 検察官「前回の判決後、覚せい剤はやってないって言ってるようだけど、検察での取調べで『去年の9月か10月頃から再開してた』って言ってない?」
 被告人「言ってません」
 検察官「財布の中に売人のイラン人のケータイ番号が書かれたメモが入ってたんだけど、これは?」
 被告人「よくわかりません。覚えてないです」

常習だろうとチクチクつついてましたね。次は裁判官からの質問。

 裁判官「なぜ、警察に『イラン人にコレ入れられた、捕まえて』って言わなかったの?」
 被告人「気の迷いです。気の迷いがあったと思います」
 裁判官「気の迷い…? 迷うことがあるんですかね?」
 被告人「気の迷いがですね…」

とのやり取りがありました。

 最後に被告人は「親、ファン、スタッフのため1日も早く仕事に復帰し、安心させたい。麻薬撲滅リングを作って、そういう運動をしたい」って言ってました。それを聞いて裁判官は、

「厳しい判決が出るかもしれません」

 と、しめてました。

 涙ながらに反省の弁も述べていたけれど、渋谷の話は理解できなかったんだよなぁ。俺は渋谷を歩いてて、イラン人に何か入れられたことないしね。ガラスパイプを見ても何だかわからないし。ましてや、知らない人に押し付けられた物を吸引しようという気持ちが理解できない。

 やっぱり覚せい剤の事件では被告人が1番の被害者なんじゃないかな? 薬物で心身ともにダメージを受けたのは当然だけど、周りの人たちの信用も失ったわけだからね。被害者のために、真実を語ることが本当の反省なんかじゃないのかな。

 中山諭被告は10月14日、岡村靖幸被告は10月21日に判決が下されます。

 【不動産会社社長による覚せい剤取締法違反事件】 ジャスダック上場の不動産販売会社「ダイナシティ」(東京都港区)の社長中山諭は、今年6月に東京都渋谷区内で覚せい剤を所持しているところを逮捕され、さらに7月に同使用容疑で追起訴された。ダイナシティは1994年設立で、資本金30億円の大企業。

 【ミュージシャンによる覚せい剤取締法違反事件】 ミュージシャンの岡村靖幸は4月上旬に東京都渋谷の路上で挙動不振だったために、警視庁渋谷署に連行され、薬物検査で陽性反応が出たために5月に逮捕された。岡村は19歳の頃から吉川晃司など有名ミュージシャンに楽曲提供し、自身も86年にデビュー。以降もプロデュース業に進出したり、ユニットを組むなど幅広く音楽活動をしてきた。

 ◆阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)

 本名:阿曽道昭。1974年9月12日生まれ、山形県出身。大川豊興業所属。趣味は、裁判傍聴、新興宗教一般。チャームポイントはひげ、スカート。裁判ウオッチャーとして数多くの裁判を傍聴。 月刊誌「創」に裁判傍聴日記の「アホバカ裁判傍聴記」を連載している。主な著書に「裁判大噴火」(河出書房)。

 パチスロはすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。定住する家を持たない自由人。パチスロと裁判傍聴で埋めきれない時間をアルバイトで費やす日々。

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