“監禁王子”は法廷でファッションショー?
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| 初公判に臨む石島泰剛被告(イラスト勝山展年氏)(共同通信)
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来週は裁判所も12月29日から休みに入り、お正月をはさむので、このコーナーも今回が今年最後です。次回の更新は、2006年1月9日になります。「毎週楽しみにしてるのに」という人(そんな人いるのか?)のために、裁判の本を紹介しましょう。
KKベストセラーズから出版された「法廷絵師は見た!」がおすすめです。筆者は、TBSの法廷画家だった大橋伸一さん。裁判傍聴に関する本はたくさんあるけど、法廷画がメインの本は初めてじゃないかな。ここ10年の有名な事件はすべて網羅されています。とにかく圧巻。
さて、今回の傍聴記は12月19日に行われた、“監禁王子”の初公判です。ここまで変な人を見たことがないですね。
逮捕当時は「小林泰剛」でしたが、拘置中に結婚、離婚、以前の「石島」に改姓といろいろあったらしく、裁判では被告人の名前は「小林華澄こと石島泰剛(旧姓小林)」とややこしいことになってました。
58枚の傍聴券を求め235人の傍聴希望者が並んでたので、傍聴席は満席かと思いきや、4分の1くらいが空席でした(多分、マスコミのバイトが余分に当たったのだと思う)。
TVカメラで法廷内を2分間撮影すると、いよいよ被告人の入廷です。傍聴人全員が法廷の左側のドアを注目していると、まずは紺色の制服を着た刑務官が入ってきて、その後ろから真っ白なスーツを着た被告人が入ってきました。この紺と白のコントラストがまぶしいったらありゃしない。被告人をよく見ると、白のタートルネック、青いストライプの入った白いシャツ、そして靴下までも白。身の潔白を主張するために白で統一したのか、法廷でもオシャレに気を使っているのか・・・。理由はどうあれ、こんな格好の被告人は始めてみました。ただ、ここまでコーディネイトしているのに、足元は拘置所で定められているビニール製のサンダルっていうのが、ギャップがあって笑ってしまったんだけど。
そんな白い王子様が被告人席に着席して、やっと裁判の始まりです。裁判長に、
「では被告人、証言台の前へ」
そう言われると、被告人はスッと立ち上がり、証言台へは向わずに、いったん証言台から1メートルほど離れたところへ行ってから、クルッと90度回転して、証言台の前に立ちました。サラサラの髪の毛を振り乱して、ターンする姿はファッションショーそのものです。
そして、裁判長から名前や住所を聞かれ、生年月日を聞かれたときの答えもすごかった。
被告人「エス、55年・・・」
裁判長「エスっていうのは昭和のことですか?」
被告人「はい」
誕生日を答えるのに、ここまでカッコつけている人はいないでしょう。しかも、自分の性癖まで同時に答えてるんだから、呆れるしかないです。
次は検察官から起訴状の朗読。被告人の行動に注目してたんだけど、まったく落ち着きがないんですね。ひとつひとつ数えてたんだけど、とにかく動きっぱなし。
〇・・・髪の毛をいじること5回
〇・・・顔をてのひらで覆うポーズ3回。
〇・・・にらみつけるように傍聴券を見渡すこと5回。
〇・・・てのひらであごを押す小顔マッサージ6回。
他にも、起訴状の内容に納得いかないときは苦笑いをしたり、手に持っていたボールペンをくるくると回したり、ホント忙しい。
そんなジッとしていられない被告人をまゆをしかめて不思議そうな顔をして、凝視していた裁判長の表情が印象的でした。かなり心象が悪いでしょうね。
起訴状に対する罪状認否では、事前に用意した紙を右手に持ち、左手で身振り手振りを加えての全面否認です。20分近くしゃべってました。独演会と言っても過言じゃないです。漢字を読み違えたり、とちったときには必ず「失礼」と言う被告人を見ていると、完ぺき主義なのかなと思ってしまいました。
とにかく。この被告人は「王子(本人は皇子と言ってるらしい)」の役を演じている人なんでしょう。完全になりきっています。全面否認しているんで、結審まで2〜3年かかるんだろうけど、被告人はずっと王子役を続けるつもりなんでしょうか。
【19歳少女監禁事件の概要】 兵庫県赤穂市の少女(19)が3カ月以上監禁された事件で、犯行の異常性から注目を集めた。04年2月、インターネットのチャットで少女と親密になった石島(当時小林)泰剛は「東京へ来い。来ないとやくざを送り込んで家をつぶす」と脅して呼び寄せ、賃貸契約を結んでいた東京都足立区のマンションに少女を監禁した。石島は少女に対し「ご主人さまの命令」として言いなりになることを強要。抵抗すると「お仕置き」として暴行を繰り返した。04年6月、石島が電話をしているすきに、少女がマンションを脱出。約100メートル離れた弁当店に飛び込み、助けを求め事件が発覚した。
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