「横浜事件」60年経ての再審は免訴
戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」の再審判決公判が9日、横浜地裁で開かれ、松尾昭一裁判長は死亡した元被告5人に、有罪か無罪かを判断しない「免訴」の判決を言い渡した。
治安維持法違反罪での有罪判決から60年余り経過し、裁判記録のほとんどが失われた異例の再審。雑誌「中央公論」編集者だった木村亨さん、満鉄調査部員だった平舘利雄さんら元被告の遺族が再審請求した。旧刑事訴訟法下で有罪が確定し、死亡した元被告の再審は初めて。
ほかの元被告は小林英三郎さん、高木健次郎さん、由田浩さんの3人。
昨年10月からの再審公判で弁護側は「特高警察の拷問で強いられた自白に基づく起訴事実は虚偽で、元被告らは誤判の被害者」と強調。司法の責任や治安維持法の問題点を認定した上で無罪を言い渡すよう求めた。
同12月の第2回公判では元被告らが生前に証言したビデオが上映され、遺族らの証人尋問も行われた。
一方検察側は、治安維持法の廃止などを理由に裁判を打ち切り、免訴を言い渡すよう求めた。
横浜地裁の再審開始決定を支持した昨年3月の東京高裁決定は「拷問による自白は信用性がない疑いが顕著で、無罪を言い渡すべき新証拠がある」と指摘していた。
裁判記録がないことから、再審で審理する「犯罪事実」は弁護団が復元した原判決の内容とされた。
[2006/2/9/14:43]
写真=横浜事件の再審判決公判で「免訴」の垂れ幕を掲げる関係者(共同)
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