【第13回】
ライフスタイルが死亡率に直結
健康習慣1
新型肺炎(SARS)の流行は峠を越えつつあるようだが「治療法が分からない新しい病気にしても、防ぐための大きなポイントになるのは結局、体力」というのは、中原英臣・山野美容芸術短大教授だ。日本体育協会公認スポーツドクターでもあり、健康ドクターとしても知られる。
体力といっても、100メートルを何秒で走るといった行動体力ではなく、病気への抵抗力となる防衛体力のことである。「ウイルスに対する抵抗力が、強いか弱いかの問題でしょう。現代社会はストレス、食生活、大気汚染など人の免疫力を弱める要素で満ちあふれています。生活習慣の見直し、言い換えると健康習慣をどこまで実行しているかが、SARSへの抵抗力になると言っていいでしょう」と中原教授。
有名なものに「ブレスローの7つの健康習慣」というものがある。米カリフォルニア大(UCLA)のブレスロー教授が7000人の健康追跡調査から導き出した。(1)7〜8時間の睡眠をとる(2)喫煙をしない(3)運動をする(4)適正体重を維持する(5)過度に酒を飲まない(6)朝食をほぼ毎日とる(7)間食をしない、である。
「ブレスロー教授は約9年間追跡し、ライフスタイルの悪かった集団は、良かった集団に比べ死亡率に2〜3倍の差があることを報告しています。特に若い人ほど、健康習慣が死亡率への関与が深いことを実証しています」(中原教授)。
日本でも大阪大医学部グループを中心に生活習慣と疾病との関連を調査をしたところ、生活の不規則な人は3・3倍の確率で消化性潰瘍(かいよう)になりやすく、生活習慣が悪く、さらに喫煙習慣を持つ35歳以上の人は、そうでない人より55・68倍という驚くべき確率で循環器疾患になりやすいそうである。
「何を習慣化すべきか、逆に習慣化してはいけないものは何かを再確認してみましょう。体の危機管理を考えるなら重要なことです」と中原教授は警告する。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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