【第28回】
危険因子は生活習慣に密着
動脈硬化1
動脈の壁が厚くなり、血管のしなやかさが失われるのが動脈硬化。血液の通り道が狭くなって、体の組織や内臓の働きが低下し、いろいろな病気にかかる危険性が増してくる。代表的な病気が、狭心症や心筋梗塞(こうそく)脳梗塞、腎梗塞、網膜出血など。いずれも生活の質(QOL)を著しく落とす可能性の高い病気だ。
動脈硬化は加齢とともに進む。そうしたことから、「高齢社会では動脈硬化の予防、治療は重要なテーマになっています」と言うのが、お茶の水女子大生活環境研究センターの近藤和雄教授だ。赤ワインのポリフェノール(抗酸化物質の1つ)研究で知られ、動脈硬化予防研究も専門にしている。「動脈硬化を進展させるメカニズムが最近、分かってきました。動脈硬化も予防や治療の対象になってきている、ということです」と近藤教授は指摘する。
動脈硬化には、比較的太い血管に起こるアテローム(かゆ状)硬化、血管中膜にカルシウムが沈着して石灰化する中膜硬化、脳や腎臓などの細い動脈に起こる最小動脈硬化があるが、いずれも血管壁の内皮細胞が傷つくことがきっかけになる。
血管壁の内皮細胞を傷つける原因は、実にさまざま。現在、動脈硬化を招く危険因子として (1)高脂血症(2)高血圧(3)喫煙(4)糖尿病(5)肥満(6)高尿酸血症(通風)(7)運動不足(8)ストレス(9)加齢(10)家族歴(遺伝)が挙げられている。これらの危険因子が多ければ多いほど、動脈硬化は加速する。
「動脈硬化の危険因子は、加齢、遺伝的体質を除けば生活習慣に密着しているものです。生活習慣の見直しが、動脈硬化を予防するポイントになります」と近藤教授。
生活習慣病は食源病≠ニ呼ばれるほど、食生活との関係は深い。動脈硬化と食生活の問題は次回で。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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