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社会タイトル

  体の危機管理
 

【第30回】

血中ホモシステインの上昇に注意

体の危機管理

動脈硬化3

 動脈硬化を進行させる危険因子として最近、注目されている物質がある。ホモシステインというアミノ酸の一種。肝臓でのたんぱく質合成の過程でつくり出される物質で、ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6が不足すると、血中ホモシステイン値が上昇する。

 動脈硬化予防が専門テーマである、近藤和雄お茶の水女子大生活環境研究センター教授は「ホモシステインは活性酸素を産出するなど、さまざまな障害を起こします。酸化LDLも同様ですが、動脈硬化をもたらす原因として、活性酸素による害の重要性が分かってきた」と解説する。

 米ハーバート大の分析調査によると葉酸の摂取量の多い人は虚血性心疾患のリスクが31%低下した∞ビタミンB6と葉酸を多量に摂取している人は虚血性心疾患のリスクが45%低下した≠ネどとなっている。

 ビタミンB6はアミノ酸の代謝に関係していて、神経伝達物質の生成を促進する作用がある。B12はDNAの主成分である核酸合成の代謝を円滑にする効果があるとされるビタミン。葉酸も核酸の合成に不可欠。欠乏すると発がんにつながるという説もある。

 「ビタミンB6はマグロ(赤身)カツオ、塩サケ、玄米といった食品に多く含まれます。B12は野菜類にはほとんど含まれませんがアサリ、シジミなど魚介類に豊富。葉酸はホウレンソウから発見されたビタミンです。キャベツやレバー、豆類にも多く含まれます」と近藤教授。

 動脈硬化は加齢とともに進行することも事実だが、それだけが要因ではないのも明らか。近藤教授は日本を世界一の長寿国に導いた和食材(飯、魚、野菜、海藻、大豆、キノコなど)の素晴らしさを強調する。「若年層の食生活を考えるといま一度、和食を再認識して欲しいですね」。

【ジャーナリスト 小野隆司】

動脈硬化の測定法

 今のところ、動脈そのものの硬化度を精度をもって測定するのは困難。総コレステロール、中性脂肪値、眼底検査などから推測するのが一般的。将来的には血管内皮細胞の炎症を示すもの(炎症たんぱく質)などが、測定マーカーになると注目されている。
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