【第57回】
早期発見胃がんなら9割完治
がん3
日本人の死因1位を占めるがんも、早めに発見できれば治るようになっているが、早期発見ががん死を減らすような治療法の進展も大きなポイントとなる。麻酔なしでもできる大腸内視鏡検査法の開発で知られる神保勝一・神保消化器内科医院院長は「検診で発見された大腸がん患者の5年生存率は80%強、胃がんでは80%弱になっています」と指摘する。
大腸がんは、60歳代前後を中心に年々増えている。高齢化や脂肪摂取量の増加が原因と考えられている。約7割が高分化腺がんと呼ばれるタイプで、進行のスピードがそれほど早くない。「早期発見できれば、内視鏡による治療や手術でほぼ完全に治すことができます。再発した場合でも対処できるケースが少なくない」(神保院長)。
胃がんは死亡率こそ減少しているが、日本人がもっとも多く発症するがんであることには変わりがない。健康診断など胃がんの約6割が見つかっている。早期胃がんの場合、90%程度は完治している。「ごく初期なら内視鏡で切除できます。入院も3、4日ですみます」と神保院長。胃壁の中を広がるスキルス胃がんは早期発見しにくいのが現状。胃がん全体の8%程度を占め、若い女性にも多い。
男女とも増えている肺がんは、患者の5年生存率が40%前後と依然として治りにくいがんとなっている。喫煙との関係も深いが、肺がんのうち、大・小細胞がんと腺がんは関係が薄い。腺がんなどは喫煙率が低い女性に増える傾向がある。
「全般的にがん治療の進展は目覚ましいものがあります。生活の質を落とさないような多様な治療法も登場しています。それだけに病気をよく理解し、医師からの説明も十分に聞いて納得のいく治療を受けることが大切です」と神保院長は強調する。
国立がんセンターが掲げる“がんを防ぐための12か条”など最近、がんは生活習慣病の側面も指摘されるようになってきた。健康にいいことをして、がん予防につなげよう。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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