【第58回】
食生活はバランスが肝心
健康への目標値(上)
遺伝子研究の進展もあり、ほとんどの病気について、その発症メカニズムが分かってきている。特に生活習慣病では遺伝、環境、栄養が3大原因。3(遺伝)対4(環境)対3(栄養)の割合で関係しているといわれている。遺伝的要因は今のところ変えられない。周辺環境は個人的レベルの範ちゅうを超えている。自分で改善できるものは栄養面、つまり食生活だ。労働厚生省が推進している「健康日本21」プログラムには、食生活についての現状と目標値が掲げられている。
(1)1日あたりの平均脂肪エネルギーの減少=脂肪エネルギー比率は、その増加にともなって動脈硬化性心疾患の発症率や乳がん、大腸がんによる死亡率が上昇している。適正摂取比率は成人で20〜25%、17歳以下で25〜30%とされている。現状は20〜40歳代が27・1%、7〜14歳で31・0%になっている。
(2)同平均食塩摂取量の減少=高血圧予防の観点から10グラム以下(米国では6グラム以下)を推奨。現状は成人1日あたり平均13・5グラムと過剰摂取気味。
(3)同野菜の平均摂取量の増加=カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンなどの摂取は、循環器疾患、がんの予防に効果的に働く。これらの栄養成分の摂取量は、野菜の摂取量が関係する割合が高い。目標値は1日350グラム。現状は292グラム。
(4)カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の平均摂取量の増加=カルシウムは体重における比率がもっとも多いミネラル。体内に1キログラムほど含まれている。骨や歯などの硬組織をつくり、神経や筋肉の機能にも作用している。1日600〜700ミリグラムの摂取が必要。現状は571ミリグラム。牛乳・乳製品130グラム(現状107グラム)、豆類100グラム(同76グラム)、緑黄色野菜120グラム(98グラム)以上を摂取すれば目標値に届く。
食生活はバランスが肝心。肥満傾向(20〜60歳代男性24・3%、同女性25・2%が肥満)にありながら、足りない栄養素が指摘されるのは食事の内容に問題がある。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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