【第1回】
今冬の再流行警戒SARS
SARSの特徴を知っておこう
人影が途絶えた香港の街、ブラジャーの片方を切り取った手づくりのマスクをつけた中国人の中年女性…。今年の初めから春にかけて、新型肺炎(SARS)関連の映像は世界中に衝撃を与えた。この冬も、発生が心配されている。まず、その特徴を確認しておこう。
▼うつり方 つば、血液、痰(たん)、便、尿、体液などによる接触感染と飛まつ感染(1 メートル 程度の間隔)が主と考えられている。空気感染ではないとの見方が強い
▼潜伏期間 2〜7日
▼初期の症状 突然現れる38度以上の熱、悪寒、けん怠感。インフルエンザに似た症状
▼その後の症状 乾いたせき、呼吸困難、めまい、食欲不振、痰。頭痛、筋肉痛、下痢、のどの痛み
▼年齢別致死率 世界保健機関(WHO)が5月7日に発表した致死率によると24歳以下は1%未満。25〜44歳6%、45〜64歳15%、65歳以上で50%。高齢者は発熱など典型的な症状が出ないまま重症化する場合もあるので要注意
▼重症化は一部 かかった人の90%は6〜7日間で回復する。残り10〜20%が人工呼吸器や気管内挿管が必要なほど、呼吸器症状が重症化する
▼感染力 個人差が大きい。重症者がスーパースプレッダーになる。一方で8割の人はかかっても2次感染を起こしていない
▼治療法 有効な薬物療法はまだない
▼検査法 現在、迅速な検査法がみつかり、実用化が待たれている。
「SARSをみても分かるように人、お金、モノ、情報が縦横に行き交う世界で、病気もグローバル化し、さまざまな感染症が再び私たちの脅威となっています。でもむやみに恐れることはありません。基本的な知識や予防法を知ることが大切です」と言うのは、国立感染症研究所、感染症情報センターの岡部信彦医師だ。
感染症の実態や予防法とともに、医療を上手に使い、家族や我が身を守る方法を一緒に考えていこう。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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