【第21回】
受けた後のサポート体制不足
予防接種のタイミング
「予防接種を受けさせようと思うと、子供は決まって『なんでオレだけぇ?』って言いますね。それに平日は学校やクラブ活動があるから、夕方しか行けない。午前中に遅刻させるわけにもいかないし、土曜日は午後から休診の病院も多く、予防接種を受けるタイミングも難しいですね」。小学生2人と中学生の3人の子供を持つK子さん(43)は、個別接種の難しさをこう話す。
実は長男T君が小学校4年生の時に、土曜日の午前中に、日本脳炎の予防接種を受けさせたのだが、夜になり、接種のあとが直径5センチほどに真っ赤に腫れて、かゆいかゆいとパニックになった経験があるからだ。
予防接種の説明書きには「接種後、ごくまれに発熱や発赤(ほっせき)、膨張などの症状が出る場合がありますが、普通は2〜3日で症状が治まります」とは書かれているが、「発赤という耳慣れない言葉がどの程度の状態を指すのか、かゆみのことは何も書いてありません」と戸惑いをみせる。この時は、土曜の夜で、医師とも電話がつながらず、母親のK子さんの判断で、T君は注射のあとを氷で冷やしながら眠りについた。幸い朝になったら腫れはすっかり引き、問題はなかった。
しかしワクチン接種にはまれに大変な副反応もある。K子さんは、土日で病院の多くが休みの時に、腕の腫れだけでなく、高熱でも出したらと、不安な週末をすごしたという。「接種後に不安を感じた時、いつでも相談できる窓口をつくってほしい。土日ではなく平日の午前中に接種をした方が、もしもの場合などに対処しやすいのなら、予防接種を理由にした学校の遅刻や、早退を認める体制もあるといい。学校から通知が来ても接種を受けない人が多いのは、通知を親に見せないこともあるし、医者に行くタイミングも難しいためでは」とK子さん。個別接種をした後のサポート体制の不足を指摘する親の声は、少なくない。
【ジャーナリスト 月崎時央】
|