【第22回】
米では入学許可の重要条件
予防接種
製薬会社に勤務するYさん(38)は、小学2年生のT君のパパだが、この秋からニューヨーク支社に転勤となり、家族で渡米した。子供の予防接種制度に違いがあることは聞いていたが、やはりYさんは着任早々、予防接種のことで街を息子と駆け回ることとなった。
Yさんはまず街の教育委員会を訪ね、T君の健康診断書と母子手帳、そして日本から準備していった「母子手帳の予防接種は済ませた」という英文の証明書を提出した。
T君は小学校ではツベルクリンを接種後、BCGも接種したのだが、集団接種なので個別に母子手帳に記入がなく、接種済みの証明方法がない。一方、米国の小学校では転入時に6カ月以内のツベルクリンの結果が必要で、しかも陽性の場合は胸部X線検査の結果も提出することになっているという。
Yさんは、日本語の通じる近所の小児科医を訪れ、放射線科を紹介してもらい、レントゲンを撮って一安心と思った。だが小児科医は「小学校に行くには、あと4つ不足している予防接種がありますね」と言う。「米国では、1度に4つやるのは普通ですよ」と説明され、結局、その場でDPT(3種混合)、HIB(インフルエンザb型菌)、Mumps(おたふく風邪)、B型肝炎のワクチン計4本を接種された。これにはワンパクなT君もさすがに半べそをかいてしまった。
T君は翌日から無事小学校入学を許可されたが「予防接種のことで、教育委員会に3回、小学校に1回、小児科医に2回、放射線科に2回行き、ワクチン代とレントゲンの費用を併せて350ドル払い、仕事も2日休みました。米国の学校では予防接種が受入れの条件として重要なのですね」。Yさんは、日米の予防接種に対する意識の差を実感している。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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