【第34回】
冬場に多発、カキ原因
食中毒 ノロウイルス
11月に長崎市のレストランで起きた集団食中毒は、修学旅行の小中高校生ら計766人が食中毒を発症するという大規模なものとなった。感染経路は発表されていないが、複数の調理関係者からノロウイルスという食中毒を起こすウイルスが検出されている。
師走も半ばになりいよいよ忘年会のシーズンがやってきた。外食が増えるこの時期は、実は冬とはいえ食中毒にも注意が必要な時期だと専門家は指摘する。食品コンサルタントの西村雅宏氏は、長年保健所で食品衛生監視員として多くの食中毒事件を見聞きしてきた経歴を持つ。「保健所の片隅から
ある食品係長の実践録」という著者でもある西村氏が今、警告を発しているのも冬場のノロウイルスによる食中毒だ。
「冬場はカキが原因とされる食中毒が多発する時期です。これは充分に過熱する以外、確実に予防する方法はありません。カキフライでも加熱が不十分だと危険なのですから、生ガキは提供する方も、食べる方も覚悟が必要です」と西村氏。
このノロウイルスは、人の腹でしか増殖しないのだが、人がこのウイルスに感染し腹の中で増えたウイルスがトイレで排出され、下水や浄化槽を通って河川や海に出る。そしてカキや二枚貝がプランクトンと一緒にウイルスを取り込んでしまうという悪循環が続いているのだ。
「ある食中毒事件では、数日前に調理人がカキを食べて下痢をしていたが、回復したので仕事に復帰し、手洗いの不十分な手で刺身を調理したことから、30人以上のお客さんが食中毒になったという例もあります。北海道では、調理人1人の手から659人もの人がノロウイルスに感染した例もあるのです」とその強烈な感染力を指摘する。
レストランで出される食事の安全性はレストラン側に保障してもらいたいが、客の知識として生ガキや鳥の生肉などはリスクが高いことを覚えておこう。もし忘年会の幹事になったら、できるだけ加熱したてのメニューを選ぶのも賢明な選択といえそうだ。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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