【第4回】
「依存型」にはワクチン、「自立型」には抗生物質
ウイルスと細菌どう違う?
「インフルエンザはウイルス性だから、水分補給をして安静に」「細菌性の膀胱(ぼうこう)炎なので抗生物質でよくなります」−。内科医にかかった時に、こんな説明を受けた事のある人は多いだろう。
医師が当たり前のように使う「ウイルス性」「細菌性」という分類は、患者には分かりにくいものだ。ちなみに新型肺炎(SARS)やインフルエンザはウイルス性だ。いったいウイルスと細菌はどこが違うのだろう。
国立感染症研究所、感染情報センターの谷口清州医師に聞いてみた。「感染症を引き起こす病原体と呼ばれるものには、細菌やウイルスのほかにもリッチケア、原虫類や寄生虫などもあります。それぞれが好みの動植物や人間に寄生して、そのタンパク質やエネルギーを利用して増えます。これらの病原体の中で、ウイルスだけは、生き物の細胞の中に入り込まないと増殖できない不完全な生物なのです」。
ウイルスの大きさは、細菌の10分の1〜1000分の1と小さく、飛び散りやすく、マスクをすり抜けて体内に入ることもある。ウイルスについては、予防接種を打って予防する以外、直接的な特効薬のあるものは少ない。これは、ウイルスが依存型で、取り付いた生き物の細胞の中でだけ増えるため、人の細胞は痛めずに、ウイルスだけを殺す技術が難しいためだ。
一方の細菌は、温度と湿度、栄養などの条件が合えば、単独で生きられる自立型。タオルや食べ物について増殖するしぶとさがあるが、サイズが大きいので、衛生面の注意で予防はしやすい。治療には、抗生物質が有効な場合が多い。
例外もあるが、大ざっぱに整理すると、ウイルス性の病気はワクチン接種による予防手段はあるが、治療方法があまりない場合が多い。細菌性の病気は医学的な予防方法はないが、かかったあとには抗生物質が有効な場合が多い。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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