【第40回】
コンドーム着用は常識だぞ
性感染症 エイズ
「私エイズになっちゃった! でも今はチョ〜元気。治療がうまくいったから学校にも通ってるよ。誰からうつったのか分かんないけど、中学の時につきあっていた人かも。だからK男にも検査を進めてんの。症状なくても、保健所で検査受けておいたほうがいいよ。ただだからね」。
高校1年生の夏休み。K男は元カノジョのY子から突然、携帯メールをもらった。Y子とは半年ほど交際していたが、1度だけセックスをしたことがある。コンドームは使わなかった。その後、進路も別々になり音信が途絶えていた。メールを読むと、Y子はK男からの感染もあり得ることをにおわせているのだが…。K男はすっかり被害者気分だ。
「オレはもうエイズで死ぬのか?」。1週間悩んで、K男は保健所で血液検査を受けた。K男の地域の保健所は週2回の午前中のほかに、週1回夕方の時間にも血液検査を受け付けている。結果が出るまで、K男は心配のあまり放心状態で過ごしたが、2週間後感染していないと分かった。K男はうれしさと同時に「Y子は明るくて勉強もできる普通の女の子。遊んでいる子には見えないのに」と裏切られた気分になった。
しかし、厚木市立病院泌尿器科でエイズの治療に詳しい岩室紳也医師は、K男の考え方は、避妊についてもエイズという病気の理解でも間違っているという。
「エイズという病気は、K男君の考えているような、すぐ死に直結するような病気ではないんだ。医学の進歩により、薬物さえきちんと服用すればコントロールできて、仕事も学校生活もできる。女性は出産も可能なんだ。だから決して絶望的な病気じゃない。でもその一方で深刻な感染症であることも事実。コンドームなしでセックスすれば、誰でもエイズになる危険性がある。性感染症はセックスをするすべての人の病気で『遊んでいる人』の病気じゃない。相手が真面目な女性かどうか判断するなんて無意味なこと。セックスにはコンドームが必要というのは、現代人の常識だぞ」。岩室医師はそうアドバイスしている。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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