【第42回】
正しい装着法知ってますか
予防接種 B型肝炎
ファッション業界で働くY子さん(30)は、20歳で献血をした時に、自分がB型肝炎のキャリアー(保菌者)であることを知った。しかしいつどこで感染したのか知らない。症状もないので、恋人にも自分がキャリアーとは話していない。
B型肝炎ウイルスに感染した場合、一過性の急性肝炎を起こすこともある。これは自然に治る場合もあるが、まれに劇症肝炎という激しい症状となり死亡することもある。この一方で、Y子さんのように感染後B型肝炎ウイルスを血液中に常時持ち続けるキャリアーとなる場合もあり、中には自覚症状がない人もいる。
しかし実は、B型肝炎ウイルスはキャリアー化すると、長い時間をかけて肝臓の炎症である慢性肝炎から、重症の肝臓病である肝硬変、そして肝臓がんを引き起こすこともある。
感染経路は大きく分けて、4つ考えられる。母子感染、性感染、血液や血液製剤の使用、血液に汚染された器具などによる外傷。
日本では母子感染対策として、86年にB型肝炎母子感染防止対策事業を始めた。妊娠時点で検査を行い、お母さんがキャリアーの場合には、生後1日以内から新生児にガンマグロブリンという予防製剤を使用し、その後にワクチン接種を行う。これが功を奏して新規キャリアーは激減した。一方、米国では「B型肝炎は予防ワクチンのある性感染症だ」という認識で、すべての乳幼児に定期接種を行っている。
小児科医でもある順天堂大公衆衛生学教室の高橋謙造医師は「母子保健事業で新規キャリアー防止には成功しているが、B型肝炎が性感染症でもあるという事実が重視されていない。実はB型肝炎ウイルスによる急性肝炎の多くが性感染によるものであり、国際化が進んだ社会での予防は、母子感染対策だけでは不十分」と危機感をもって指摘する。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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