【第43回】
入れ墨、ピアスも危ない
性感染症 B型肝炎
「B型肝炎は、急性肝炎から劇症肝炎に進展し、死亡したり、キャリアー化して将来的に肝硬変や肝臓がんになる可能性もある深刻な感染症です。原因は母子感染、血液感染などさまざまですが、性行為を通じての感染も起こりうる病気です」と話すのは順天堂大公衆衛生学教室の高橋謙造医師だ。
一般に、B型肝炎を性感症ととらえる人は少なく、B型肝炎予防接種の存在も知らない人が多い。出産時にB型肝炎の母子感染防止に携わるのは産婦人科医や小児科医であり、肝炎を発症すれば治療は内科医が行うという具合に、医療の世界は診療科ごとに縦割り構造になっている。このため、B型肝炎のキャリアーの患者さんや家族のライフサイクルという長期的な視点で、生活や性生活などの指導やサポートが行われにくい現状がある。
「今、キャリアーとなっている人の感染原因はさまざまで、その人自身に責任があるわけではありません。診断後に生活指導を受けた患者さんは、皆しっかりと予防を考えてくれます。B型肝炎の性感染予防は、エイズと同様にコンドームの確実な使用が最も有効です。また、キャリアの方の家族へのワクチン接種を考えることもできます」と高橋医師は正しい知識を持つことの大切さを強調する。
またB型肝炎は感染力の強いウイルスなので、血液で汚染された針やかみそりなどからも感染する。「薬物の回し打ちが危険なことはもちろんですが、入れ墨やピアスなどでも、消毒がなされていないと容易に感染します」と高橋医師は忠告している。
さらに口から入る食べ物によって感染するといわれるA型肝炎やO157も、アナルセックスやオーラルセックスなどで口からウイルスや菌が入れば感染する。性感染症のリスクをしっかり理解して、愛する人と我が身の健康を守ろう。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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