【第45回】
知識不足が症状悪化招く
性感染症
「救急病院に若い女性が腹痛を訴えて運ばれ、緊急開腹手術の結果、原因がクラミジアという菌の感染による腹膜炎だと分かることも珍しくありません」と話すのは、ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(東京都中央区)の婦人科医対馬ルリ子氏。
「不調を感じた時に早く婦人科を受診していれば、薬をのむだけで治療できる病気も多いが、知識不足のために症状を悪化させ、卵管などの摘出になってしまう場合さえある」と対馬医師は問題の深刻さを指摘する。
日本人の性行動の開始は年々早くなり、それに伴って性感染症=STD(sexually transmitted diseases)にかかる人は急増している。STDとは細菌やウイルスが、男性や女性の性器やその周辺、精液、膣(ちつ)分泌物、血液などにすみつき、セックスをすることによって感染する病気のことだ。
主に女性が産婦人科にかかるのは、お産の時と婦人科系の病気の時だ。子宮がんや乳がんの公的定期健診を受けても、性感染症についてはほとんど見逃されているのが現状だという。「女性の中には各年代を通して無症状のまま、性感染症を放置しているケースが多い。これは将来的に不妊症や婦人科がんの原因にもなるのです」と対馬医師。
「女性は信頼できる産婦人科のホームドクターを見つけ、避妊の相談や婦人科検診を日ごろから気楽に受けられる関係をつくりましょう」と対馬医師は女性の意識改革の必要性を強調する。
【婦人科医を受診すべき症状のチェックポイント】
□おりものが増えた
□ヨーグルト状のおりものや黄色みがかって泡だった臭いおりものが出る
□外陰部にかゆみがある。皮膚が赤くなったり痛みや熱を感じる
□外陰部に痛みのないイボ、1センチ以上のしこりがある
□ももの付け根が腫れてぐりぐりしている
□軽い下腹部痛がある
□排尿時に痛みがある
□発熱やのどの痛みなど風邪のような症状がある
□口の中やのどにできものやかいようができやすい
【ジャーナリスト 月崎時央】
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