【第47回】
正体不明の微熱にけん怠感…ペットが原因!?
人畜共通感染症 Q熱
OLのA子さん(27)はペットのチワワとベッドも食事もともにする愛犬家だ。ところが1カ月ほど前から、原因不明の発熱や悪寒や頭痛、筋肉痛、全身のけん怠感など風邪に似た症状に襲われ、回復しない。病院で検査をしても、特に異常はないと言われるが…。
A子さんのように動物と濃厚な接触があり、不調の原因が不明の時は、慢性疲労症候群や登校、出社拒否者の一部の原因ともいわれるQ熱という病気も疑う必要があるかもしれない。Q熱は「Query fever=不明熱」に由来し、実態は解明されていないが、人畜共通感染症の中でも重大な病気と考えられている。
「僕は、ペットの飼い主が、原因不明の微熱とけん怠感に悩んでいるというような相談を受けた場合、感染症に精通した医師のいる病院での受診をお勧めしています」と話すのは、千葉県鎌ケ谷市のイトウぺットクリニックの獣医師伊東彰仁氏だ。
実は今年2月に静岡県立病院の医師グループがうつ病、慢性疲労症候群と診断された患者13人からQ熱の病原体であるコクシエラ菌が発見されたという調査結果を発表している。
かつては家畜の病気といわれていたQ熱だが、犬や猫などのペットもコクシエラ菌を持つことが分かってきた。Q熱に感染したペットは、母乳やふん便の中にコクシエラ菌を排出するため、室内でペットを飼っている場合、ふん便などについた菌が乾燥して宙に舞い、人間がそれを吸い込んで感染する危険性があるといわれている。実際のところはよく分かっていないが、これはペットと暮らす環境を衛生的にすることで予防できる。
「Q熱の感染ルートは全部解明されていませんが、1つ明らかなのは動物の分べんの時に、大量にコクシエラ菌を含む胎盤や羊水などの飛まつを浴び、それが何らかの方法で体内に入り込み、感染することです。もし自宅でペットのお産に立ち会う人は、事前にQ熱に感染していないことを確認し、必ずゴム手袋やマスクでの予防を」とアドバイスする。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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