【第31回】
薬の効きが悪い人にも効果的
カウンセリング(下)
心の問題が身体疾患となって出てくる心身症には、数多くの病気がある。有名なところでは、胃・十二指腸かいよう、過敏性腸症候群、VDT症候群、斜頚(けい)、書頚、緊張型頭痛、片頭痛、ぜんそく、糖尿病、更年期障害…。これらがすべてストレスが原因というのではなく、これらの疾患の中に、ストレスが非常に大きな比重を占めることで発症しているケースがあり、その場合、心療内科が患者を診療するのが最も適しているのである。
そして、その心療内科の基本治療は薬物療法と心理療法。心理療法で中心になるのがカウンセリングである。
「私どもでは、カウンセリング時間は人によって違いはありますが、基本的には1回30分で、2週間に1回という形です」と、九段坂病院(千代田区九段南)心療内科の臨床心理士・森下勇氏はいう。
そして、よりカウンセリングが必要で効果のあるのが、「薬の効きが悪い人」だという。それは−。
「心身症では、どうしても“うつ的”な面がかかわってきます。すると、薬の効果が弱く、カウンセリングが効果的になるのです」。
カウンセリングでは患者さんに気持ちを発散してもらい、次に気持ちを整理してもらう。その上で、次にどうするかを考え歩み出してもらう。この間、カウンセラーは整理できる状況をつくってあげるだけで、決して指示は出さない。
「人間、真剣に生きていこうとすると“うつ”にもなります。首が回らなくなったり、下痢をしたり、胃も痛くなります。それがコントロールできるかどうか、そこが心身症になるかならないかの分岐点です」。
そして、森下氏は「過労死を英語でいうとどういうか知っていますか?」と質問を向けた。
「過労死」実は英語でもKAROSHIなのである。WHO(世界保健機関)も認めている。
「症状が出るのは、患者さんへの“休みなさい”というサインなのです。それなのに無視して無理をするから過労死をしてしまうのです」。
心身症の時点で休息して治療するよう、あなたの身体があなたに警告を発しているのである。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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