【第42回】
音楽療法などで自律神経のリズム整える
多汗症(下)
「手のひらがいつも汗ばんでいるので、他人と握手するのが嫌だ」「素足でスリッパをはくと、汗でツルツルしてうまく歩けない」「物を書くと、紙が汗でぐちゃぐちゃになり、破れてしまう」といった多汗症に悩む人々の声。これが職業上で支障をきたすケースもある。
手のひらの汗の量が多く、ピアノ演奏ができない、といったものだ。ビジネスマンの悩みで多いのは、仕事で握手するケースの多い人々は「汗ばんだ感触が相手に伝わり、不快感を与えるのでは…」というもの。このような多汗症の悩みは、なかなか他人には理解してもらえず、だからこそ人知れず悩むことになる。
悩む人の多い多汗症は、大きく2つに分けられる。「温熱性発汗」と「精神性発汗」である。温熱性発汗は暑いと汗をかいて体温を下げようとする生理現象。精神的発汗は「冷や汗をかいた」というように、恥ずかしい思いをしたときや感動したときなど、精神的興奮によって出る汗。
もちろん、汗の出る部位も異なる。温熱性発汗は全身だが、精神性発汗は手のひら、わきの下、足の裏などに限定される。多汗症というのは精神性発汗の異常を指している。
受診する診療科は皮膚科、麻酔科、胸部外科、循環器外科など。制汗剤のほかにブロック療法や胸腔鏡(きょうくうきょう)下交感神経切除術といった治療法があるから、診療科が多い。その中で心因性(ストレス)が強い場合は心療内科で診療が行われる。
心療内科の治療では、多汗症に特異的に有効な方法がないので、いくつかの治療を組み合わせて行われている。カウンセリング、行動療法、音楽療法、自律訓練法、薬物療法等々。ストレスで興奮する交感神経を、副交感神経を高めることによって自律神経のリズムを整えるのである。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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