【第45回】
出血、歯垢、あかなどの原因除けば治る
口臭症(上)
「日本人はにおいに敏感」と世界的にいわれている。体臭、口臭にも多くの人が敏感で、口臭消去剤も数多く販売されている。
そのようににおいを気にする人の中に、必要以上に口臭を気にする人がいる。保険会社の営業担当、A男さん(28)もその1人。付き合っていた女性から「ときどき息がくさいことがあるよ。営業なんだからもっと気を付けないと、もっと成績落ちちゃうよ」と言われた。A男さんは大ショック!
それからというもの、朝・昼・夕食後はもちろん、暇をみつけて最低でも1日5回は歯磨きをした。が、それでも口臭が気になり悩み続け、日大歯科病院(東京都千代田区)口腔(こうくう)診断科を受診した。口腔心身症の治療で活躍する後藤實助教授によると、口臭の原因は大きく以下の4つが考えられるという。
(1)虫歯や重症の歯周病で歯肉からうみや出血がある。
(2)義歯などに歯垢(しこう)が多く付着。
(3)舌にコケ状のあかが多く付着している。
(4)鼻や咽頭、また消化器内に病気などがある。
これらの原因をしっかりチェックすることが大事。「原因を突きとめ、その原因を取り除くと、治療は終わります」と、後藤助教授はいう。
A男さんは歯並びが悪いだけでなく、歯にほどこされていた詰め物がうまく適合していなかったので奥歯のすき間に食べカスが必ず詰まる状態だった。確かにA男さんは最低1日5回の歯磨きを欠かさなかったが、歯の隅々にまで歯ブラシの先がとどかず、磨き切れていないところが多かった。その残った食べカスが口臭の原因になっていたのだ。
「A男さんは歯を治療してもらい、ブラッシングをマスターすることで、口臭症の中の他臭症は完治しました」と後藤助教授。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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