【第52回】
メランコリー親和型=「古き良き日本人」
うつ病になりやすいタイプ
不況の長い道が続く。企業内のリストラもまだまだ続いている。そのリストラの火の粉が降りかかるビジネスマンは、まさに“リストラされるも地獄、会社に残るも地獄”という厳しい状況におかれている。
「リストラ対象から逃れても決して楽ではありません。去っていった人々の仕事までも背負い込むのですから…。まじめなビジネスマンは、やはりうつ病への道を突き進んでしまうことになります」と、残ったビジネスマンにも苦痛が大きいことを指摘するのは、長谷川病院(東京都三鷹市)の柏瀬宏隆院長(精神科医)。
では、そのような厳しい状況にあると、全員がうつ病になるのかというと、そうではない。実はうつ病にも“なりやすい性格”があることが分かっている。「メランコリー親和型と呼ばれている性格の方々がうつ病になりやすいのです。このメランコリー親和型の性格の特徴は『秩序を愛する』。そして『他人との円満な関係を尊ぶ』性格傾向です」。
メランコリー親和型の性格特徴は、ドイツの精神医学者・テレンバッハが提唱した。
(1)秩序愛=きちょうめん、きまじめ、律義、正直、小心、仕事好き、手を抜けない、入念な仕事ぶり、他人まかせにできない、完全主義、責任感が強い、道徳感、融通性や柔軟性がない、頑固である。
(2)他人との円満な関係=他人と争えない、他人と折りあいが悪いときは自分が折れる、他人に頼まれると嫌とはいえない、他人の評価を気にする。
この性格特徴から描き出される人物像は…。そう、まじめな「古き良き日本人」である。「今は自己主張する人が増え、このようなまじめ人間には生きにくい時代になったと考えられています。だから、ますます『うつ病』の患者さんは増えると予想できます」と柏瀬院長は分析する。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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