【第57回】
パソコン最優先で性格の変化も
テクノ依存症(下)
朝、目覚めるとパソコンをチェック。メールを確認し、返事を出すべきメールには、すぐに返事を送る。食事もそこそこに、出社。席につくや、パソコンのメールチェック。書類つくりもすべてパソコンで。仕事中はパソコンに向かいっぱなし。このような日常生活を送っている人が、決して珍しくなくなってしまった。
パソコンは、操作する人の気の向いたときに操作でき、複雑というかわずらわしい人間関係もない。パソコンとの相性が良いと次第にのめり込み、やがてパソコンにかかわらないと落ち着けなくなってしまう。これを「テクノ依存症」という。アルコール依存症がお酒を飲まずにはいられないように、パソコンを操作していないといられなくなってしまう。パソコンに依存してしまう状態である。
それでも、会社に遅刻しないで出勤できているのであれば、まだしも。より依存度が強くなると、すべてにおいてパソコン最優先になり、昼夜が逆転してしまう。結果、出社もままならなくなる。
ここまでくると、さまざまな症状が出てくる。「不眠」「頭痛」「食欲不振」といった基本的な症状のほかに性格も変化する。「時間の観念がなくなる」「ちょっとしたことでもいらだつ」「他人との会話ができなくなる」「自分をコントロールできなくなる」。周囲の人々が気付いて、精神科を受診するように勧め、一緒について行くと良い。
治療の基本はカウンセリング。患者自身が依存症になっているという自覚がないので、それを自覚してもらう。周囲への迷惑を患者自身が認識し、治そうという気持を持つと、それ以降の治りは早くなる。
パソコンはあくまでも道具であることをしっかり理解し、使用目的をはっきりさせる。そして、パソコンとの時間を減らし、家族や友人との時間を増やすと、5〜6カ月もすると正常な日常生活に戻ることができる。パソコンのみならず、携帯電話も過剰な適応は、テクノ依存症といえる。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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