【第80回】
1日5分居眠り感覚でストレス病予防
自律訓練法(下)
ストレス病治療の1つとして、医療の現場では自律訓練法が行われている。心身をリラックスさせる方法で、自分でできるようになると、ストレス病予防にも大いに役立つ。
「自律訓練法には1つの背景公式と6つの標準練習があります。一般に予防に使うのであれば、標準練習は『四肢重感練習』と『四肢温感練習』で充分です」と、ひもろぎ心のクリニック(東京・豊島区)の渡部芳徳理事長はいう。
では、自律訓練法を始めよう。
まずは環境。外部からの刺激を取り除き、静かな落ちつける部屋でネクタイやベルトはゆるめて、リラックス状態で行う。
「慣れてきますと、電車の中でも会社のいすに腰かけてもできるようになります」。
基本姿勢は最も楽なのがあおむけに寝て行う。あとは頭をささえてくれる安楽いすなど。もちろん、普段使っている背のあるいすなら大丈夫。いすの場合はアゴはあまり引きすぎない。電車内での居眠り状態時の姿勢を思い出してもらうといいだろう。
深呼吸をして全身の力を抜き、軽く目を閉じる。そして、頭を空っぽ(居眠りに入る状態)にして、おなかで息をしながら、頭の中で念仏を唱えるかのようにゆっくりと次の言葉を数回繰り返す。
「気持が落ち着いている」(背景公式)
気持が落ち着いたら、四肢重感練習。利き腕(手)から始める。右利きならば…。「右腕が重たい」「左腕が重たい」「両腕が重たい」…。
「脚もあるのですが、脚の方が難しいので、まずは腕から行うといいでしょう」。
次に、四肢温感練習。これも脚は次の段階と考えるといいだろう。
「右腕が温かい」「左腕が温かい」「両腕が温かい」…。
重く感じ、次に温かく感じたら、最後は催眠に似た状態からスッキリ目覚めるために次の動作を必ず行う。消去動作で、両手をゆっくり握りしめ、それをゆっくり開いていく。
これを5、6回繰り返し、次は肘の屈伸運動を3、4回。そして、背伸びをしながら深呼吸をして目を開ける。就寝時はそのまま眠ってかまわない。この自律訓練法を覚えてしまうと、どんな場所ででも5分もあればできてしまう。
「1日に4、5回行うと心身共に安定します」と、渡部理事長はいう。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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