【第30回】
「安静」は筋肉弱り再発も
腰痛症(下)
原因が特定できない腰痛症だが、予防・治療法として世界的に取り入れられているのが運動療法。腰椎(つい)は腹筋と背筋で前後から支えられている。1対1・4のバランスが最適筋力バランスといわれ、このバランスの崩れも腰痛が起こる原因になる。
運動療法に対する評価は高い。米国医療政策局では「急性腰痛治療ガイドライン」というものを出しているが、ギックリ腰など急性腰痛に対しても運動療法を勧めている。これまでは「安静」が最重要の回復策だったが、同ガイドラインによると4日を超える安静は筋肉が弱るので回復が遅れ、再発もしやすいとまでいっている。
日本体育協会公認ドクターの中原英臣・山野美容芸術短大教授は「腰痛に対する運動療法のポイントは、まず腰の周りの硬くなった筋肉や靭(じん)帯などを伸ばして柔らかくするストレッチングをすることです」と解説する。
腹筋、背筋を強くする筋力トレーニングは、痛みのない範囲内で徐々にすることも必要。運動を始める腰痛のめどは、寝返りを打てること。ひねる動きに耐えられる状態になった、といえるからだ。
「筋力をアップさせるには週3回以上しないと効果がないといわれますが、最近の研究では腰部背筋は週1回でも効果があるとされています」と中原教授。
(1)ひざを立てた腹筋運動(2)うつぶせになって頭を上げる背筋運動(3)あおむけになって足を左右に交差させる腰の筋肉の緊張をほぐす運動、などを組み合わせると腰痛症の運動療法になる。無理せず続けることが重要。どの部分を鍛えているかを考えてすることも大切だ。
「減量、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス解消など生活習慣の改善は腰痛の予防・回復策になります。腰痛の治療に取り組むことは一病息災につながりますね」と中原教授は期待する。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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