【第33回】
薬で胃酸の分泌抑える
逆流性食道炎(下)
逆流性食道炎の治療は、胃酸分泌を抑える薬を使うのが第1選択。胃酸を抑制することで炎症を緩和させる。プロトンポンプ阻害剤(PPI)を処方するのが通常。胃酸を出す最後の段階の胃酸ポンプを止める作用がある。
神保消化器内科医院(東京都江戸川区)の神保勝一院長は「PPIの服用でほとんどの逆流性食道炎は治まります。逆流そのものを改善する薬ではないので、長期服用が必要なこともあります」という。
PPIは4年前から長期使用が健康保険適応になっている。逆流性食道炎の確実な診断は、内視鏡検査・PHモニタリング検査などがあるが、生活の質(QOL)の低下を招く病気であることを考慮し、問診からでもPPIの処方ができる。まず2週間の経過をみて逆流性食道炎かどうかを再確認、その後の治療法を決定することも多い。
「胃酸の抑制で症状は改善しますが、薬を止めると再発しやすい病気なことも確かです。胃酸が逆流しないような日常生活上の注意点もあります。食事中は水分をなるべくとった方がいい。水を飲むと胃液は下に戻りますし胃酸も薄まります」と神保院長。
その他(1)食事は1度にたくさんとらない(2)食後にすぐ横にならない(就寝しない)(3)できるだけ頭を高くして寝る、などが心得になる。
逆流性食道炎では外科療法もある。食道と胃の接合部の締まりをよくする手術だが、薬の服用でほとんどが改善するので、重症化して食道が狭くなっている場合など手術のケースはまれ。逆流を起こしやすくなる食道裂孔ヘルニアを手術して症状が収まる例もある。
「胃腸系の病気で今後とも増えると予想できるのが、この逆流性食道炎。知っていれば早期治療が可能になります。症状が進めば出血や貧血まで起こります。そうなる前に治療を始めてください」(神保院長)。
男女とも65歳以上に多い病気だが、若年化する可能性も十分ある。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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