【第35回】
自己犠牲的なタイプが多い
過換気症候群(中)
過換気症候群はストレスが原因となる身体疾患である。ストレスの身体反応には、臓器選択性があるといわれている。ある人は胃腸がおかしくなり、ある人は頭痛になるという意味だ。過換気になるタイプがあるとも考えられる。
国際ストレスマネジメント連盟日本代表理事でもある精神科医の丸野広医師は「臨床的な印象では、周囲に気を使い自己犠牲的なタイプの人が多い。一見、外交的で対人恐怖症になるような人とは違いますね」という。
期待に応えたい、いつも愛されたい、注目されたいとの気持ちが強く、それをかなえられないと感じた時、過換気となって表れる、とも考えられる。いずれにしても呼吸中枢の異常まで起こす精神的原因を突き止めることが治療につながる。
しかし、これが原因であると簡単に分からない場合も多く、過労、寝不足、スポーツのような身体的ストレスなども過換気症候群を誘発する危険因子になる。パニック障害も過換気症状を伴うことが多い。
「まず過換気症候群はどういう病気であるかを知ることが大切。発作自体に慣れると症状が軽くなり、自然と治っていくケースもあります」と丸野医師。
とりあえず発作を治める方法としては、ペーパーバック法というのがある。紙袋を口にあて、吐いた空気を再度吸い込む方法。吐かれた空気は二酸化炭素が多いので、血液中の濃度低下を防ぐことになる。
ビニール袋は気密性がありすぎ、逆に酸素不足から呼吸困難を招いてしまう。ペーパーバック法をする余裕のないほど症状が強い場合は、精神安定剤や抗不安薬での治療をすることもある。
「過換気症候群の発作は治まりますし、発作による後遺症も心配いりません。大事なのは発作のない時にどう治療するかです」と丸野医師はいう。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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