【第41回】
過保護は肥満児育てる
子供の生活習慣病(中)
小児生活習慣病が心配される理由として、肥満の子供が増えていることがある。文部科学省の学校保健統計調査報告書でも明らかに右肩上がりの状態を示している。1970年度は5%以下だった肥満児が2000年度では、男子(12歳)=11・3%、女子(同)=10・1%と倍増している。
肥満は脂肪細胞が中性脂肪をため込むことから始まる。脂肪細胞の数は乳幼児の時に決まるとされていたが、最近になってエネルギーの過剰摂取や運動不足で増えることが分かってきた。
健康ドクターとしても知られる中原英臣・山野美容芸術短大教授は「脂肪細胞の数は通常、300億個程度といわれますが、肥満者では400〜600億個にも達しています。しかも子供の時に増えやすい」という。肥満は乳幼児期からの問題になっている。
子供の肥満は家庭環境が大きい。体質(遺伝)もあるが過食、運動不足といったライフスタイルは、家族から受け継がれているケースが多い。過保護も肥満につながる。おやつの与えすぎ、子供の好きな献立を優先させがちで、過食につながっていると指摘されている。
「5歳までに刷り込まれた生活習慣は一生続くともいわれます。統計数字をみると肥満児の8割は、そのまま成人肥満者となっています。子供の時期の手立てが大事です」と中原教授。
子供は成長期にあるだけに、大人のダイエット方法をそのまま取り入れるわけにはいかない。栄養不足は健康障害を起こす可能性もある。体重は無理に減らさず、身長が伸びるのを待つという考え方も推奨されている。
肥満児の食事は、早食い・過食・脂っこいもの好き・甘いもの好きの傾向が目立つ。米国では糖分の多い飲料水も問題視されている。甘い飲料水をたくさん飲む子供ほど空腹を感じやすく過食になっている、というのだ。
「子供が1人で食事管理をするのは無理です。周囲が問題意識を持つことです。焦らず2〜3年かけて肥満度を下げる努力をしてください」(中原教授)。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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