【第53回】
生活改善で尿酸値下げる
痛風(中)
痛風の元凶は尿酸である。尿酸は代謝の過程で作り出される。最終的には尿として排せつされるが、体内には常に蓄積されている。通常1200ミリグラム程度あり、尿酸プールと呼んでいる。1日700ミリグラムほど体内生産され、ほぼ同じ量が排せつされるが、何らかの原因で尿酸の生産が過剰になるか、排せつ量が減ると血液中の尿酸が増え、高尿酸血症と呼ばれる状態になる。生活習慣病の1つだ。
尿酸の血中溶解度には限界がある。限度を超えると尿酸塩として結晶化し、関節やその周辺に沈着してしまう。異物として白血球の攻撃を受け、活性酸素や酵素が腫れや痛みを起こすのが痛風の正体である。
生活習慣病に詳しい福生吉裕博慈会老人病研究所(東京・足立区)所長は「痛風は原因をはっきり特定できない1次性と呼ばれるものが大多数ですが、患者さんの総エネルギー摂取量が多いのは確か。美食、飲酒は危険因子になります。ストレスは代謝作用を活性化するので尿酸の合成を促進すると考えられています」という。ストレスは排せつ作用を阻害する面もある。体内の尿酸バランスが崩れやすい。実際、心身とも疲れがたまっている時、痛風発作がよく起きる。
尿酸はプリン体と呼ばれる物質が代謝されて出来るが、プリン体は細胞を構成する核酸が分解されたもので、新陳代謝やエネルギー代謝で生成される。食べ物からも摂取される。人体メカニズムからいっても、尿酸はたまりやすい物質といえる。
「過食、運動のし過ぎ、ストレスなどの危険因子を避け、生活全般から取り組めば尿酸コントロールはできます。絶えず体内で作られる物資ですから、一時的ではなく常に心がけることが大切です」と福生所長。
治療も痛みを抑えるだけでなく、尿酸値を上げないようにする薬の使用が主流である。継続して服用する必要もある。ただ最も重要なのは生活改善。痛風は生活習慣病全体の指標と考えなくてはいけない。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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