【第54回】
腎臓結石の確率30倍に
痛風(下)
痛風は特徴的な症状がある。(1)症状が出てから1日以内にピークに達する(2)以前にも同じような症状があった(3)関節が腫れている(4)足の親指の付け根に激痛が走る(5)血液検査で尿酸値が高い(7・0ミリグラム/デシリットル)などだ。普通は状況証拠で十分、診断は可能。
痛風の治療は関節炎(痛み)に対するものと、尿酸値の改善の2つの面がある。発作時にはコルチヒンという特効薬があるが、長期にわたって使用するものではない。そのため鎮痛剤や時にはステロイドホルモンなどを塗って炎症を抑える。発作が治まったら尿酸コントロールの治療に入る。発作予防の薬もあるが、尿酸の排せつ剤と合成抑制剤の2つのタイプがあるので、医師と相談して選ぶことが大切。
「痛みが治まると、痛風が治ったと思う人も見受けられますが、尿酸をコントロールする治療こそ大事です」と福生吉裕博慈会老人病研究所(東京・足立区)所長は、強調する。
尿酸の排せつ低下型なら尿酸排せつ剤、過剰生産型には尿酸阻害剤が用いられ、食事療法や日常のケアと合わせて取り組む。アルコールは尿酸の排せつを阻害するように働く。初期治療でも3〜6か月にわたって行われる。痛風は高血圧症、高脂血症、糖尿病、腎臓結石などの合併症も多く、尿酸コントロールは一生ものと理解した方がいい。
尿酸は関節以外では老廃物をろ過する腎臓にもたまりやすい。たまった尿酸が核となって腎臓結石ができる。腎不全を招く危険性も高まる。「腎不全は命取りになる病気です。尿酸値の高い人は正常な人と比べて30倍も腎臓結石になる率が高いという報告もあります。痛風はきちんと治療すべき病気です」と福生所長。
予防策として大量飲酒、肉などの動物性脂肪の取り過ぎを抑えることはもちろんだが、福生所長は「自己管理にも落とし穴があります。例えば小魚は大丈夫と思いがちですが、頭から全部食べると、はらわたにはプリン体が多いのです。魚なら白身の大きな魚のほうがいい。またキノコ類はカロリーは少ないのですがプリン体は多いので要注意です」と付け加える。
生活習慣病予防に肥満解消は重要だが、急にジョギングなどを始めると「痛風発作の引き金になる面があります。体に負担の多い運動は考えものです」(福生所長)。健康も自己責任を求められる時代。きちんとした知識が欠かせない。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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