【第55回】
小太りで元気なお母さん要注意
胆石症(上)
人間ドッグなどで「胆石がある」と言われる人が増えている。成人の10人に1〜2人は胆石があるとも推定されている。昔から胆石といえば激しい痛みを想像するが、実際は無症状なことも多い。全国でも数少ない胆石治療専門のセンターを設けている板橋中央総合病院(東京・板橋区)の増田浩・胆石センター部長は「サイレントストーンと呼んでいますが、検査で胆石が発見されても半数近くの人は自覚症状がありません」という。
胆石は胆汁を一時的にためる胆のうで作られる。砂粒ほどの大きさから小石大まで、さまざまある。この胆石が動いたり、胆管と呼ばれる狭い管の部分に詰まると激しい痛みを起こすのである。みぞおちから右側の上腹部にかけての鋭い痛み(疝痛発作)が典型的だが、背中や肩に痛みを感じる人もいる。肝臓の下側に位置する胆のうは体の右にあるため右側に痛みが出るのも特徴。
無症状胆石の場合、特に治療しないケースもあるが、「最近、胆石治療は急速に進歩しています。選択肢も増えているので早期治療を受けて欲しいですね」と増田部長はいう。
胆のう炎、胆管炎もほとんどは胆石が原因になる。胆道がふさがれ、胆汁がうっ滞して細菌感染が起こる。黄疸(だん)を招き、時には命にかかわることもある。胆のうがん患者の多くが、胆石症を併発している事実もある。「早期発見、早期治療は胆石症でも大切です。胆石の形成には食生活も関係します。生活習慣病として捉える必要があります」(増田部長)。胆石は胆汁に含まれるコレステロール、ビリルビンと呼ばれる色素、カルシウムなどが結晶化したもの。成分比率が食生活や体質などの影響で変化すると結晶化しやすい。
胆石のできやすい5Fというものもある。40〜50歳代(FORTY−FIFT
Y)、女性(FEMALE)、肥満(FAT)、経産婦(FECUND)、健康(FAIR)だ。小太りで元気なお母さんは要注意ということになる。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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