【第56回】
胆のう摘出で合併症回避
胆石症(中)
東京・板橋区にある板橋中央総合病院は、胆石症を専門に診る胆石センターがある。胆石外来の前には胆石の数々が飾ってある。大きさ、形、色とも多種多彩。実に個性的である。同病院胆石センターの増田浩部長は「胆石だけでなく、患者さん一人ひとりの胆のうの形も違いがあります。どのような胆石かよく調べて治療方針を立てることが重要です」という。
医療機器の進歩により胆石の有無、形や大きさまで分かるようになってきた。腹部超音波(エコー)検査では、炎症やがんの有無も調べられる。胆のう結石ではほぼ100%、総胆管結石でも8割がた発見できるといわれている。
胆石症の治療は胆石のできた場所、成分、大きさなどに適した方法を選ぶが、再発の多い病気でもある。胆石ができやすい状態が続けばまた石は作られるし、取りきれなかった小さな石が核となり、胆石が再び大きくなるケースがある。
「再発が繰り返す場合は、胆石が作られる胆のうを摘出することになります。内視鏡と結んだモニターを見ながら手術する腹腔(くう)鏡下胆のう摘出術と呼ばれる方法が主流になっています」と増田部長。同摘出術は米国で開発された手術法。切開部が小さくてすみ、回復が早い。1週間ほどで退院でき、これまでの開腹手術と比べて費用も3分の1程度になる。
胆のうは肝臓で作られた胆汁を一時的に貯蔵し、濃縮してから十二指腸に送る役目をしている。胆汁は消化酵素ではないが、脂質の腸管内での吸収を助ける働きがある。「胆汁は胆のうがなくても胆管を通って十二指腸に流れますから、そんなに大きな問題はありません。発作を起こすような胆石症は、合併症の恐れもあるので摘出したほうがいいでしょう」(増田部長)。
同胆石センターの腹腔鏡下摘出術は年間280例にも上るという。胆石の治療も症状が進めば進むほど難しくなる。早期発見、早期治療が肝心なのは言うまでもない。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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