【第57回】
脂肪、糖分の取り過ぎに注意
胆石症(下)
無症状胆石を含めて胆石症が増えているのは間違いない。その理由として生活習慣病的側面を指摘する専門家は多い。具体的にはコレステロール胆石が多くなっている。
胆石治療を専門に手がける板橋中央総合病院胆石センター(東京・板橋区)の増田浩部長は「欧米人に多いコレステロール胆石が多くなっているのは事実でしょう。脂肪の取り過ぎや不規則な食生活が関係します。脂肪分の摂取過多は胆汁成分のコレステロール量を増やし、濃度が上がって結晶化しやすくなります」と説明する。
食事の回数や量が不規則な場合は、胆のうから胆汁が十二指腸に速やかに流れなくなる。そのため胆のうでの濃縮が必要以上に進んで成分が沈殿し胆石ができやすくなる。
胆石症の予防対策としては胆石治療後の日常生活の注意点が参考になる。(1)1日3食、規則正しい食事を心がける(2)脂っこい料理やコレステロールを多く含む食品を控える(3)適度の運動で肥満を解消する、など。まさに生活習慣病の予防策と同じである。
「女性に胆石症が多いのは、女性ホルモンが胆のうの動きを悪くする作用があるためと考えられています。体質も無視できませんが、太り過ぎや食生活がさらに胆石を作りやすくしているといえます」と増田部長。
甘いもの好きも要注意。糖分が変化して肝臓でコレステロールが過剰に生成される可能性がある。生活習慣病的側面を持つ胆石症は、ますます増えそうだ。また加齢も関係する。胆汁に含まれるコレステロールは、胆汁酸に包みこまれている。胆汁酸は“生体のせっけん”といわれる存在で本来、水に溶けにくいコレステロールの結晶化を防いでいる。この胆汁酸を作る酵素は、年とともに減少することが分かっている。
「胆石が見つかったら症状がなくても、年に1回は専門医の検査を受けることをお勧めします」と増田部長はアドバイスを送る。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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