【第63回】
食事と生活のバランスが予防の1歩
子宮内膜症(下)
子宮内膜症は、はっきりした原因が明らかになっていない。体質の問題もある。一卵性姉妹における同時発症率は、それ以外の姉妹に対して高いという海外の研究報告もある。最近ではアレルギーとの関係を指摘する声もある。
原因がはっきりしていないので、予防法は確立していないが、文明病的側面があるのは確か。ストレス、食生活など生活習慣が、子宮内膜症の予防・改善につながる、と考えられている。子宮内膜症に詳しい小山嵩夫クリニック(東京・銀座)院長は「生活習慣とホルモンバランスは関係が深いので、子宮内膜症の発症にかかわりがあるのは事実でしょう。かなり肥満していた人が減量したら症状が改善した例もあります」という。
臨床的に出産を経験した女性には、子宮内膜症が少ないことが知られる。未婚者の増加、女性の社会進出の度合いとも相関関係を示している。また大気汚染などによる環境ホルモン(内分泌かく乱物質)との関係も懸念されている。サルを使った動物実験では、ダイオキシンとその類縁物質がサルに子宮内膜症を発生させている。
「予防対策としては強いストレスを避ける、体の冷えに気を付ける、血流を促進する適度な運動などを心がけることです。食事ではバランスを取ることと、動物性脂肪分の多い食材や添加物の多い食品を控えた方がいいでしょう」と小山院長。
卵巣機能は生活のリズムが影響する。食事、睡眠など生活の不規則は当然、危険因子になる。治療を受けても生活習慣が乱れがちなら、効果は上がらないということにもなる。「子宮内膜症は社会のリズム、人間関係も絡む社会的疾患といっていいと思います。個人差も大きいはずです。それだけに機械的な診療ではなく、自分に合った治療を受けることが最善策になるはずです」と小山院長は強調する。
女性のライフスタイルの変化は近年、目立っている。子宮内膜症が関心を持つべき病気になっているのは、間違いない。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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