【第64回】
患者数1千万人、8割は女性
骨粗鬆症(上)
骨に鬆(す)が入ったようなスカスカ状態になるのが骨粗鬆(しょう)症。骨のカルシウム量(骨量)が減り、骨折しやすくなる病気である。40〜50代から始まり、60代になると急速に増える。推測患者数は約1000万人。その8割は女性で、50歳以上の4人に1人は骨粗鬆症になっているといわれる。
初期は特に症状はないが、やがて3大症状とされる“腰や背中が痛い”“3〜5センチほど背が縮む”“背中が丸くなる”などが表れてくる。若年成人骨量平均値(YAM)の70%を下回ると骨粗鬆症と診断される。
健康ドクターとして知られる中原英臣・山野美容芸術短大教授は「3大症状も骨がもろくなって細い骨が折れる変形や圧迫骨折を起こすことが原因になっています。姿勢が変化することで胸や腹に圧力がかかり、呼吸器系や消化器系が機能異常を示すことも珍しくありません。生活の質を落とさないためにも早めの治療は大切」という。
カルシウムはもともと吸収しにくい成分。食べ物から摂取したカルシウム分の3分の1程度しか取り込んでいない。しかも高齢になると胃腸の消化・吸収能力は低下する。加齢は骨粗鬆症の一番の危険因子なのである。女性の場合はホルモン(エストロゲン)の減少も関係する。骨の新陳代謝は骨芽細胞、破骨細胞と呼ばれる2つの細胞が働くが、エストロゲンには破骨細胞を抑制する作用がある。閉経によるエストゲンの急激な減少が、骨粗鬆症を招く大きな理由になっている。
カルシウムは神経や筋肉を正常に働かせるために欠かせない物質。そのため血液中のカルシウム濃度を下げないよう足りなくなると、骨のカルシウムが溶け出していく。「摂取するカルシウム不足が続く限り、骨粗鬆症は進行することになります。男性を含めて50歳になったら骨粗鬆症にいかに対処するかが、元気で長生きするポイントになるはずです」と中原教授。
原因は分かっているので改善策はある。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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