【第66回】
踏み台昇降が転倒防ぐ
骨粗鬆症(下)
骨密度の測定で骨粗鬆(しょう)症と診断された場合、骨折の危険が高い人には、治療薬が使われるようになってきた。骨を強化するカルシウム製剤、活性型ビタミンD剤のほか、最近は破骨細胞を不活性化することで骨量増加効果もあるビスフォスフォネート製剤と呼ばれる薬も用いられる。
健康ドクターとして骨粗鬆症に関心を持つ中原英臣・山野美容芸術短大教授は「薬物治療も最大の目的は骨折を予防することです。骨折は生活の質を落とすだけでなく高齢者の場合、寝たきりにつながる恐れがあるからです」と説明する。
骨粗鬆症が進行すると手首や脚の付け根の骨折が起きてくる。大たい部の骨折は寝たきり原因の第3位に上げられている。脊椎(せきつい)に圧迫骨折があると運動神経が障害され、足がマヒする例もある。
骨折する直接の原因としては転倒が多い。足腰の筋肉が弱くなるとどうしても歩幅が狭くなる。すり足やちょこちょこ歩きが多くなり、ちょっとした段差やデコボコにもつまずきやすくなる。「歩幅が狭くなるのを防ぐには大腰筋を鍛えると効果があります。上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、大たい部を引き上げる働きをしています。この大腰筋の衰えが歩幅を狭くします」と中原教授。簡単な鍛え方として踏み台昇降を中原教授は勧める。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い。閉経後の女性ホルモンの減少は大きな危険因子。50歳を過ぎたら骨粗鬆症を意識した生活が必要といえる。50代の女性の場合、親が70代、子どもは20代ということも多い。「3世代で骨粗鬆症に取り組むチャンスです。若いころに骨量を上げておけば予防につながりますし、無理なダイエットの弊害も防げます。骨粗鬆症は日常生活を改善することが1番の対策です。このことをあらためて認識しましょう」(中原教授)。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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