【第67回】
女性40代、男性60代から症状
変形性膝関節症(上)
階段を下りる時に膝(ひざ)が痛む。特に立ち上がる際に膝が痛む。そんな話をよく聞く。中高年なら変形性膝関節症を起こしている可能性がある。膝の痛みで整形外科外来を訪れる人の半数以上が該当しているともいわれる。
推定患者数は1000万人。女性に目立つのも特徴だ。3対1の割合で男性より多い。女性は40〜50代、男性は60代から症状が出ることが多い。守屋秀繁・千葉大学大学院医学研究院教授(整形外科学)は「膝関節でクッションの役目をしている軟骨や半月板が年とともにすり減るなどが原因になります。筋肉の衰えも影響します」と説明する。
軟骨は1度すり減ると再生は困難なため、症状は徐々に進行する。高齢化、運動不足、肥満傾向にある現代人にとって、うまく付き合って症状の進行を防ぐ必要がある病気といえる。
男性より女性患者が多い理由は、もともと膝を支える筋肉量が少ないことと性ホルモンのかかわりも指摘されている。生まれつき関節軟骨が弱い場合もある。
「リウマチなどの病気が原因になる2次性のもの、スポーツなどで膝のケガをしたことから関節内に変形が起こり年を経てから症状が出るケースもあります」と守屋教授。
日本人に比較的多いといわれるO脚も変形性膝関節症の危険因子。関節の内側に負担がかかりやすく、変形が進んでしまう可能性が大きい。O脚の原因である脛骨(けいこつ)の内側への曲がりを直す手術(高位脛骨骨切り術)は、変形性膝関節症の治療法の1つになっている。
「変形性膝関節症では進行具合に合わせた治療をするのが基本になります。膝の痛みは活動範囲を狭め、QOL(生活の質)を落とします。それを防ぐためにも早期治療は大切です」(守屋教授)。
膝の痛みを起こす病気はいろいろあるため、確定診断にはレントゲン検査のほかにMRI(磁気共鳴画像)も使われる。慢性リウマチや痛風との鑑別のため血液検査もする。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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