【第69回】
進歩する人工関節置換手術
変形性膝関節症(下)
人工関節に入れ替える手術は最後の手段となるが、関節症から解放される治療ともなる。変形性膝(しつ)関節症とともに増えている変形性股(こ)関節症でも人工関節の置換手術が行われている。
日本人工関節学会の会長を務めた守屋秀繁・千葉大学大学院医学研究院教授は「金属やプラスチックを組み合わせたもの、セラミックを使ったものなど材質開発が進歩し、耐用年数も伸びています。今後はさらに治療の選択肢として活用されると考えています」という。
守屋教授は20年前から人工膝関節の開発にタッチし、300例以上の手術を手掛けている。入院期間はリハビリテーションを含め1〜2カ月ほど。重症患者が対象となることもあって手術前と手術後の変化は行動能力を含め劇的なものがある、という。成功率も95%と高い。
世界のゴルフ界の帝王として君臨したジャック・ニクラウスは、4年ほど前、左側股関節の人工関節手術を受けている。手術後も米シニアツアーに参加しプレーを続けている。「プロのスポーツレベルに通用するほど人工関節は進歩しています。手術をちゅうちょされる方もいると思いますが、治療の選択肢として知っておいてください」と守屋教授。
高齢者の場合、骨がもろくなっている骨粗鬆(しょう)症の問題があるが、改善治療を受けながら人工関節手術をするケースもある。
高齢者の病気は単に治すだけでなく、QOL(生活の質)をいかに保つかが治療の大きな目的になる。変形性膝関節症は、命に別条があるわけではないので、なおさら重要になる。
「それぞれの治療法には長所と欠点があります。そうした点をきちんと説明してくれる医療機関を見つけることも必要です。納得できる治療は効果が上がるものです」と守屋教授はアドバイスを送る。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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