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  この病気になる理由
 

【第79回】

かゆみを伴うのは3分の1

この病気になる理由

水虫(上)

 水虫はカビ(真菌)の一種である白癬(はくせん)菌が起こす病気。皮膚表面の角質(角質層)に含まれるケラチンと呼ばれるタンパク質を栄養源に増殖する。白癬菌は至るところにいるカビで、気温が上がり湿度が高くなると活性化する。じめじめする梅雨時、汗をかく夏は水虫の季節である。

 水虫に詳しい渡辺晋一・帝京大学医学部皮膚科主任教授は「水虫になると、かゆみが出ると思われがちですが、実際はかゆみを伴うケースは患者さん全体の3分の1程度。自覚症状がないため治療を受けてない人の方が多い」という。

 全国の皮膚科専門医2000人に呼びかけ、足疾患の実態を調べたジャパン・フット・ウィーク(JFW)研究会報告によると、日本の水虫患者数は約5人に1人、推定で2500万人にも達している。男女とも年齢が高くなるにつれて患者は増えている。

 渡辺教授も中心となって参加した同研究会報告から水虫にかかりやすいリスク要因が分析されている。「長時間風通しの悪い靴を履いている人や足に傷がある人は水虫になりやすい。そのため、足を軽石などで擦って傷をつけている人はかえって水虫になりやすくなります。英語では水虫をアスリーツ・フットと呼びます。足に汗をかき、スパイクの中が蒸れやすい。水虫になりやすい環境を端的に表している言葉ですね」と渡辺教授。

 症状や発生状態などによって3つのタイプに大別されている。足の裏や指の付け根に小さな水膨れができる小水疱(ほう)型、指の間の皮膚が白くふやける趾(し)間型、足の裏全体が粉をふいたように細かく皮がむける角質増殖型の3つ。水虫が進行し、爪(つめ)の中まで白癬菌が入り込んでいる場合は、爪白癬と呼ばれている。

 「爪白癬まで進むと、爪の上から塗り薬は浸透しないので内服薬でないと治りません。内服薬ですと費用もかかるし副作用も全くないわけではありませんので、早めの治療に越したことはありません」と渡辺教授はアドバイスする。

【ジャーナリスト 小野隆司】

白癬菌による皮膚病

 頭部なら「しらくも」、体なら「たむし」、陰部なら「いんきんたむし」となる。呼び名は変わるが同じ病気。手や足の場合は水虫と呼ぶ。部位別発症率は足が64・4%(日本医真菌学会調査)と断然多い。
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