【番外編】
情報信じ過ぎるのは考え物
健康は本当にバランスの問題だと思う。病気はアンバランスの問題だ。そこには自己管理や今はやり? の自己責任も絡んでくる。
禁煙治療の外来をいち早く設けたことで知られる某先生。「タバコの煙には3000種以上の化学物質が含まれ、ベンツピレンをはじめ40種類以上の発がん物質が発見されています。またホルムアルデヒドや活性酸素も多く含まれ…」。話は延々と続く。
がんの早期発見検査では全国に名高い某先生。「タバコの煙は肺細胞に入るや否やDNAを損傷します。でも、その途端、がん抑制物質として有名なP38が修復酵素として働きます。高齢者になるとその働きが落ちてきて…」。話はやはり続く。
予防医学の分野で世界的評価もある某先生。「歯の部分、正確にいえば歯髄(ずい)にも免疫と関係しているβエンドルフィン・ホルモンを分泌する細胞があることが分かりました。このホルモンはリラックスした際に分泌されます。タバコでほっとした時間が持てるなら、それもまたよしです。なかば強制された健康生活は効果が期待できま…」。話は当然、続く。
最近、食の安全への関心が高い。無農薬農法は期待の星だ。無農薬作物は病虫害の被害を受けやすい。しかし傷つけられた時のみ、虫や病原菌を排除する化学物質が生成するシステムが植物には備わっている。
この物質はファイトアレキシンと総称され、最先端の研究テーマになっている。ファイトアレキシンは、化学的にはアルカロイド、ステロイド、タンニン、キノンなどである。毒にも薬にもなる成分として知られる。
現在、100種類以上の植物で200種類以上のファイトアレキシンが見つかっている。ではこの自然の農薬ともいうべき物質の人体への影響は? よく分かっていない。
コカインにしろニコチンにしろ、昆虫から身を守るために植物がつくり出す成分である。自然は人に優しいわけではない。コントロールできて初めて優しくもなる。一方的な情報を信じるのは考え物である。自己責任でバランスを取りましょう。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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