【第29回】
17〜25歳はワクチン空白世代
風疹予防接種
風疹(ふうしん)は、発熱や発疹、リンパ節が腫れるなどの症状が特徴のウイルス性の病気で、春から初夏にかけて多く発生する。風疹ウイルスは空気中に出たつばなどにより、人から人に感染する。潜伏期間は2〜3週間。3日程度でおさまることから「3日ばしか」とも呼ばれる。
「風疹は子どもがかかりやすい病気ですが、定点観測によると今年は風疹にかかる人が過去5年で最高を記録しています。特に17〜25歳の男女は接種したかどうかを必ず確認してください」と話すのは、小児科医でもある国立感染症研究所の岡部信彦医師だ。というのも、もし妊娠初期の女性がかかると、母体から胎児に風疹ウイルスが感染し、生まれる子どもに難聴、心臓病、白内障などの症状「先天性風疹症候群」が出る危険性があるためだ。
かつてに比べれば格段に少なくなったものの今回の流行は、大人の患者の占める割合が例年よりも高いという特徴がある。20歳以上の感染者が全体の約2割で、昨年の2倍近くになっている。
風疹の予防接種は77年に始まったが、当時は、法律に基づく定期接種の対象が女子中学生に限られていた。その後、95年4月からは対象が1〜7歳半の男女に変更されている。この制度変更のはざまで、79年4月2日から87年10月1日の間に生まれた人(現在17〜25歳)は、幼児期に接種を受けないまま、学校での集団接種の機会もなかったことになる。
このため、政府はこの年齢層の人が原則として無料で予防接種を受けられる定期接種としての経過措置をとったが、これは03年9月末で終了してしまった。今から接種を受けるには自費で、小児科か、内科などに行かなくてはいけないので負担は大きい。だが、岡部医師は「これから妊娠の可能性のある女性、そして妊婦の近くにいるであろう男性にも接種を強く勧めます。予防接種の負担は一時期のものですが、もし妊娠中に風疹にかかれば、その被害は生まれてくる赤ちゃんの一生に及ぶからです。風疹の予防は、私たち自身はもちろんですが、産まれてくる私たちの次の世代の子どもたちの健康を願って行うものです」と強く接種を勧めている。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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