【第36回】
防腐剤の入っていない目薬が効果的
ドライアイ
Y男君(12)は中学受験のため、塾に通っている。受験を控えたこの時期は、勉強も追い込みに入り、長時間机に向かうことも多い。勉強の合間にはテレビゲームをしたり、ベッドに寝転がってマンガを読み、ストレスを解消する。学校では2学期からクラス委員になり、みんなを注意する役割があるのだが、責任感が強い割に気が小さいところがあり、これを負担に感じていた。
Y男君が、夏休み明けからよくまばたきをするのに気付いたのは、お母さんだ。テレビを見ているとき、話しているとき、盛んに両目をしばたたくのだ。本人は苦にしていないようだったが、見ている母親の方は、平静ではいられないほど頻繁なまばたきのため、精神的な病気かもしれないと不安になった。
眼科で検査をすると、目の表面が乾燥するドライアイの可能性があると診断された。処方された目薬をつけると、数日でまばたきの回数は、かなり減った。子どもの目の診察を多く手掛けるつやま眼科医院(千葉県市川市)の津山弥生医師は「よくない姿勢での読書やパソコンの画面を長時間見過ぎることなどが原因のドライアイが大人だけでなく子どもにも増えています」と指摘する。ドライアイは、まばたきの回数が少ないことにより目が乾き、目の表面が傷付く状態だ。またアレルギー体質があって目がかゆかったり、さかさまつげによる刺激で、目の表面がざらざらしている場合もある。
「ドライアイは、防腐剤の入っていない目薬を、1日に5、6回程度さすことで改善することが多い。目の表面がいつも潤うことで充血もとれてきます。ドライアイの治療で視力の低下が防げる場合もあります」と津山医師。パソコン画面も30分間見たら、目を休めることを勧める。また「思春期にはさまざまなストレスがあるので、頻繁なまばたきが精神的な問題を背景にしたチックである場合もあります。ドライアイとチックが両方一度に起きることもある。この場合も、まず目を検査し、ドライアイであれば、目薬で目を治療してから様子をみるといいでしょう」。
親が「なんでまたまばたきするの? とヒステリックに指摘をするのは、子どものストレスになるのでやめましょう」とアドバイスしている。
【ジャーナリスト 月崎時央】
|