【第46回】
日中居眠り 楽観視せず受診を
睡眠障害(4)
「特に寝不足でもないのに、大好きな彼女とのデート中に、ふっと眠ってしまって、言い訳にすごく困ったんです」「高校に自転車通学しているんですが、気付いたら路地を走りながら数秒ですが寝ていたんです」「授業中、宿題を忘れて先生に説教されている途中で寝てしまって、先生の怒りが爆発してしまったんです」。
睡眠時間が極端に不足しているわけでもなく、退屈な状態でもないのに、自分の意思とは関係なくふっと眠ってしまう病気がナルコレプシーだ。熊本大発生医学研究センターで睡眠の研究をする粂和彦医師は「日中の眠気がひどくなる代表的な病気で、軽症の場合や発症したばかりの場合は診断がつきにくい。また典型的な場合でも、居眠りする人が増える思春期の学生だと、単にさぼりだと思われて診断されていない人がかなり多い」と指摘している。
ナルコレプシーの特徴は、<1>発症しやすい年齢は思春期。やや男子に多い<2>居眠りがひどく成績が下がり出す<3>眠くて寝るのではなく本人も無意識で寝てしまうことが多い<4>朝早い時間(学生なら1時間目)からでも寝てしまう<5>本当に大切な場面でも意に反して寝てしまう<6>笑ったり、興奮した時に、ひざががくっとするような脱力発作を伴う<7>入眠時に幻覚を見たり金縛り状態となり、夢もよく見る。
ナルコレプシーは、オレキシンという脳を目覚めた状態に維持するホルモンの作用が減ることで起こる病気だといわれている。「本人の緊張などに関係なく突然眠ってしまうので、成績が下がるなどいろいろ問題があるのですが、案外楽観的に見えるのも特徴です。睡魔は5〜10分ほどの仮眠で一応すっきりしますが、放置されればそのまま長く眠ってしまうこともあります。この病気は疑いさえすれば、専門の病院での検査で診断がつきます」と粂医師。
毎日のように日中居眠りすることが3カ月続いたら、受診した方がいい。診断がつけば、薬を上手に使うことで、症状が改善し、本人の生活はずっと楽になる。
【ジャーナリスト 月崎時央】
|