【第69回】
生理で困ったらまず受診を
婦人科思春期外来(1)
「自転車をこぐのも、つらかったんです」。中学3年生のA子さんは、長引く生理に悩んでいた。母親に相談しても「困ったわね」と困惑顔をするばかり。体も始終だるく、朝もなかなか起きられない。
授業を受けていても疲れ、保健室で体を休めることも多くなった。そんなA子さんを見かねた養護の先生が、あちこち調べて紹介してくれたのが、愛育病院(東京・港区)産婦人科の思春期外来だった。「初めて受診した日のA子さんは、やせて見るからに顔色も悪くて」と思い起こすのは、外来担当の加藤季子医師だ。
検査してみると、案の定、血液は通常の半分ほどの濃度しかなかった。「つらかったわね」と話しかけた加藤医師にA子さんはうつむいたまま、うなずいたという。加藤医師は、機能性出血によってもともとの貧血をさらに悪化させていたA子さんに、一時的に生理を止めるためのピルを処方し、貧血の治療を行った。
生理が終わらなければ、病院を受診することができない−そう考えていたと、A子さんは受診をためらっていた理由を語る。「思春期の婦人科の問題は、少女たちの話をよく聞くことと、血液検査などの簡単な処置で解決することが多いのです。生理に関する問題は、緊急性がない場合が多いこともあって、1人で悩んだり、解決を遅らせてしまうことも珍しくありません」。
生理の量が多い、長引く、不規則、などは、少女期には本人の精神的負担となることもある。「外出やスポーツに引っ込み思案になったり、修学旅行や林間学校などが不安だったり。そういう治療のためにピルの処方は有効です。でも『うちの子にピルをのませるなんて、とんでもない!』とビックリする母親もいます」。
加藤医師が中高生に処方するのは、通常の大人が服用する中容量ではなく、低容量タイプのピルだ。育ち盛りであることに加え、どんどん変化していく少女たちの体に合わせ、負担のない治療を心掛けている。生理のことで困ったら、まず思春期外来を受診してほしいと加藤医師は話している。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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