【第79回】
親の指導で防げる子供の歯周炎
歯科(2)
食生活の変化や姿勢の悪さからくる、子どもの歯のかみ合わせ異常。あごが小さくなる傾向とともに、子どもの歯ぎしりが目立ってきたと指摘するのは和光歯科医院(東京・杉並区)の服部淳医師だ。「歯ぎしりと呼応するように増えてきているのが、子どもの歯周炎です」と語る。
歯周病といえば通常は大人の、それも中年以降のものと考えられている。しかし子どもの歯周炎は、大人のそれとは全く違うという。「大人の歯周病とは別の菌によって起こるものです。思春期の体の変化とともに、ホルモンのバランスも変わってくる。このときに親から受け継いで、もともと体の中にあった菌が口の中で勢力を持ってしまう。これが子どもの歯周炎の原因です。反抗期に重なって、食事や歯磨きに対する意識が低下することもかかわってくるでしょうね」。
思春期の口内で起こる菌の勢力図の交代現象ともいえる。子どもの歯周炎は、一目瞭然(りょうぜん)。口の中が真っ赤に見えるからだ。しかし痛みが感じられない分、子ども自身が異常を自覚するのは難しい。「最近ちょっと歯茎から血が出るかな」程度に無自覚のまま、放置されやすいのだ。やはり親が気が付いてやる必要があるという。
「子どもの歯周炎の特徴はしっかり磨けばすぐに良くなるというところにあります。ただし、親が口で言うだけではダメ。しっかり指導してほしいですね。親子のコミュニケーションの問題でもあります」。放置しても、一定以上の年齢を迎えれば、自然に治ってしまうのが子どもの歯周炎だという。大人の歯周病が真性であるとすれば、子どもの歯周炎はいわば仮性のものだ。
「しかしいくら歯周炎自体は自然に治っても、その子どもの口中の環境が悪いことには、変わりがないんです。悪い環境を放置すれば、確実に将来の虫歯や歯周病へとつながりますし、その進行も早めることになる。いくら部活動や勉強で忙しくても、半年に1度の歯科検診は欠かさないでほしい。特に歯科矯正していて、いつの間にか途中でやめてしまったというようなお子さんは危険度が高く、注意が必要です」。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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